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課題と問題、何が違う?

「課題」と「問題」という言葉は、日常生活やビジネスシーンでよく使われますが、これらは単なる同義語ではありません。

それぞれ異なるニュアンスと役割を持っていますが、どう違うのでしょうか?

問題と課題の違いはどこにある?


「問題」とは、目標と現状の間にあるギャップのことを指します。例えば、売上が目標に達していない、製品に欠陥がある、顧客からのクレームが増えているといった事象が「問題」に該当します。

一方、「課題」とは、目標と現状のギャップを埋めるためにやるべきこと、すなわち「問題」を解消するための具体的なアクションを指します。例えば、新しい市場への参入、業務効率の向上、社員のスキルアップなどが「課題」に該当します。


ケース1 商品の市場シェア回復


例えば、ある企業が商品の市場シェアを回復させるという目標を持っているとします。ここでの「問題」は、現在の市場シェアが目標としているシェアに達していないというギャップです。そして、「課題」は、このギャップを埋めるために何をすべきか、つまり、どのように市場シェアを回復させるかという行動計画です。

しかし、この企業がCMやWeb広告を増やすことをすぐに決定したとしたら、それは課題設定を飛ばして解決策に直行していると言えます。真の課題は何かを見極めるためには、認知度、購買意欲、配架率、価格競争力など、様々な要素を吟味する必要があります。


ケース2 コピー機のリース寿命


別のケースとして、コピー機のリース寿命を延ばすことを目指す企業を考えてみましょう。ここでの「問題」は、利益を増やすことです。そして、「課題」は、利益を増やすためにどのような行動をとるべきか、つまり、どのようにリース寿命を延ばすかという行動計画です。

しかし、この企業がいきなり「リース寿命を延ばす」という課題に飛びついてしまった場合、問題と課題の区別が曖昧になってしまいます。利益を増やすという問題から出発していれば、「中古販売利益も含めた会社全体の利益を最大化するために、中古販売のタイミングを最適化する」というような課題設定になるかもしれません。

「課題」と「問題」の違いを明確に理解し、それぞれに適したアプローチを取ることは、効果的な問題解決と目標達成の鍵となります。問題は具体的な障害やトラブルを解決するための迅速な対応が求められ、課題は成長や改善のための長期的な戦略や計画が重要です。このように、言葉の違いを理解することで、より効果的な対応策を講じることができるでしょう。

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