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「私、期待されると頑張れるんです」ーーピグマリオン効果とは

「先生に褒められたから、テスト頑張れた!」「上司に期待されて、責任重大だけど頑張ろう!」

こんな経験は誰しもあるのではないでしょうか?実は、こうした経験は、ピグマリオン効果と呼ばれる心理現象によって説明できます。

ピグマリオン効果とは、「人は、他者から期待されると、その期待に応えようと努力し、結果として期待通りの成果を出してしまう」という心理的な作用です。

この効果は、アメリカの教育心理学者であるロバート・ローゼンタール博士によって提唱されました。

ローゼンタール博士は、小学校の児童を対象とした実験を行いました。この実験では、ランダムに選ばれた児童を2つのグループに分け、一方のグループの児童に対しては「この子は伸びる」と教師に伝え、もう一方のグループの児童に対しては何も伝えずに、同じ授業を行いました。

すると、実験の結果、「この子は伸びる」と期待されたグループの児童の方が、そうでないグループの児童よりも、学力テストの成績が大きく向上したことがわかったのです。

この実験結果から、教師の期待が児童の学習意欲を高め、結果として成績向上につながることが示唆されました。

ピグマリオン効果は、教育現場だけでなく、ビジネスやスポーツなど、様々な場面で有効であることがわかっています。

例えば、

  • 上司が部下に期待を寄せ、責任のある仕事を任せることで、部下のモチベーションを高め、業績向上につなげる

  • コーチが選手に期待を寄せ、積極的に声をかけることで、選手の能力を引き出し、パフォーマンスを向上させる

  • 親が子供に期待を寄せ、愛情を注ぐことで、子供の自信を高め、健全な成長を促す

このように、ピグマリオン効果は、人々の潜在能力を引き出し、より良い結果を導き出す力を持っているのです。

しかし、注意すべき点もあります。

期待をかけすぎると、プレッシャーを感じて逆効果になる場合もあります。

また、期待の内容が適切でない場合にも、効果は期待できません。

大切なのは、相手のことを理解した上で、適切な期待をかけることです。

ピグマリオン効果をうまく活用することで、私たちは自分自身や周囲の人々の可能性を最大限に引き出すことができるでしょう。

「私、期待されると頑張れるんです」

この言葉を胸に、周りの人々に期待を寄せ、互いに成長し合っていきましょう。

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