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所蔵品のご紹介2 ~大型オルゴール①~

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 当館には、100年以上前の大型オルゴールが3台と中型オルゴールが1台あります。本日は大型オルゴール①として、「Regina(レジーナ)」というアメリカの会社のオルゴールをご紹介します。

 最初に、大型オルゴールの歴史を少しだけお話します。

 箱を開けると動き出すぜんまい仕掛けのメカ。その源は中世ヨーロッパに遡ります。木製の円筒を回転させてハンマーを操作し、音の異なる鐘を打ち自動的にメロディーを奏でて町中に時を知らせたカリヨンがオルゴールの起源と言われています。そしてカリヨンが時計の進化と共に姿を変えていき、18世紀末には鐘の代わりに長さの異なる何枚かの薄い鋼鉄製の板をはじいてメロディーを奏でる機構が考案されました。

 これが現代のスタンダードであるシリンダー・オルゴールを支える仕組みであり、その第一歩はスイスの時計職人アントワーヌ・ファーブルの発明といわれています。

 録音という技術がなかった時代に、オルゴールは唯一の自動演奏装置として職人たちの手により進歩を遂げ、シリンダー・オルゴールは多くの上流階級に愛されました。そして19世紀末、新たにドイツでディスク・オルゴールが誕生しました。ディスクを交換することで多くの曲を楽しめるディスク・オルゴールは、レストランや酒場で重宝され、ポピュラーなオーディオ機器として時代を駆け抜けました。

 進化を続けたオルゴール市場ですが、その終焉は間近に迫っていました。そのきっかけはエジソンによる蓄音器(機)の発明です。ここからオルゴールは衰退の一途を辿ることになりました。この部分については、蓄音器紹介の時に記載することにします。

 さて、天使と女神のマークで有名なレジーナ社は、ポリフォン社((ドイツ)からアメリカ市場開拓を目的にニュージャージーに設立された会社で、最終的にはアメリカでは一番有名なオルゴールメーカーとなりました。

 レジーナには当然いろいろなタイプのモデルがありましたが、15.5インチ(39.37cm)のポリフォン互換のディスクオルゴールが有名だそうです。当館には、直径約68cmのディスク11枚あります。

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 写真の右側面にゼンマイを回す取っ手がついています。見えている盤の下の木部分の中にディスクが保管されています。当館所蔵ディスクは、
 1:Silver Bell Song(シルバーベル)
 2:ADESTE FIDELES(神のみ子は)
 3:Air die Roy Louis ⅩⅢ  Gavott Ghys(アマリリス)
 4:THE BLUE BELLS OF SCOTRAND,SONG(釣鐘草)
 5:A WARM RECEPTION CAKE WALK ANTHONY
 6:When I Get You Alone To-Night song
 7:WILLIAM TELL OVERTURE ROSSINI(ウィリアムテル序曲)
 8:Tanhausser Overture(タンホイザー序曲)
 9:NINA INTERMEZZO GHAY
10:AT A GEORGIA CAMP-MEETING.MARCH MILLS
11:THE MONASTERY BELLS LEFEBURE-WELY(修道院の鐘)
中には、盤が歪んでいて、うまくかからないディスクもあります・・・

 右側のオルゴールの盤が、少しづつ回転しているのがわかります。1回転して1曲終わります。

 当館にいらしていただくと、心和む音色のオルゴールを生でお聞きいただくことができます。生で聴くオルゴールの音は、心を癒してくれますよ。

 明日は、小黒恵子さんのプロフィールをご紹介したいと思います。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。(S)

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