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超個人的、今日のおすすめの本『小説スマイルプリキュア!』



 こんにちは!おぐり丸です!!
 今回は小説ですが…普段とは毛色が違います!
 そう、プリキュアシリーズの小説です!!

 プリキュアシリーズからは幾つか小説が出ているのですが、大体タイトルが『小説○○プリキュア』といった様に分かりやすいものとなっています。
 さらに、大きな特徴として、テレビ放送された物の、続きである事が多いです。
 今回紹介する『小説スマイルプリキュア!』もテレビ版の最終回後のストーリーとなっています。
 …なので、この作品を読むには2012年に放送されたプリキュアシリーズ第9作『スマイルプリキュア!』全48話を見ておくという前提条件があるのです…。

 スマイルプリキュアは滅茶苦茶面白い作品なのできっと楽しめるとは思うのですが、流石に一年間放送されたものを見てから読んでください!と言いづらいのですが見てから読んでください。

 何故なら、見てないと理解できない話とかあるので…できれば映画も見て欲しいです(強欲)。

作者

 著:小林雄次 先生
 原作:東堂いづみ 先生

あらすじ

 2012年に放送された9作品目のプリキュアである『スマイルプリキュア!』。そのテレビ本編から10年後、5人の少女たちは成長し、それぞれの道へ進み平和な日々を過ごしていた。
 しかし、5人とも少しづつ、自分の過ごしている日々に違和感を抱き始める。
 そう、それはかつて戦った皇帝ピエーロの部下であるジョーカーによって生み出された「絶望の物語」の中だったのだ。

主要人物

 星空みゆき…ウルトラハッピーが口癖のキュアハッピーに変身していたテレビ版における主人公格の少女。10年後、絵本好きが高じて本屋の店員になっており、児童書コーナーを担当している。

 日野あかね…関西弁が特徴のキュアサニーに変身していた少女。実家がお好み焼き屋であり、10年後にはその店で働いている。

 黄瀬やよい…気弱だが自分の好きな物には一生懸命な少女で、かつてキュアピースに変身していた。中学生時代から絵や漫画が好きで、将来の夢は漫画家だった。10年後にはその夢を叶え人気漫画家になっている。

 緑川なお…真面目で家族思いのお姉さんで、プリキュア時代はキュアマーチに変身していた。運動神経が良く中学、高校で女子サッカー部に所属していた。10年後は高校時代得点王に輝き、様々な大学やプロリーグからスカウトが来たがすべて断り地元の大学のサッカーチームのコーチをしていた。

 青木れいか…名家の生まれの少女で、キュアビューティーに変身していた。中学生時代から成績優秀で、10年後にはその中学校で教員になっている。

概要

 全6章で、1~5章は各キャラクターの10年後の話を書かれて、最終章で全ての真相が書かれるという構成になっています。

 各章の10年後の世界は子供向けのアニメの続きとは思えないくらいリアルでジワジワと心を追い詰めてくる不幸や絶望がプリキュアだった少女たちに向かいます。

 本当にリアルです。テレビのスマプリがかなりギャグメインでシリアスが時折挟まる感じで決して暗い話が無いわけではなかったのですが、スマプリではプリキュアらしいファンタジー的な絶望がメインだったのに対して、小説では働いているところが閉店するとか、好きな人と離れ離れになるとか、人気漫画家になったものの初心を忘れてしまったとか、後輩たちが自分のコーチングを鬱陶しく思っていたのを聞いてしまったとか、自分に対して担任辞めろと書かれた手紙が届くなど…ものすごく現実的でチクチクとしかし確実に胸の奥に重くどっしりとした泥の様な感情が溜まる、嫌な出来事が描かれるのです。

個人的おすすめポイント

 最初に、シリーズでも屈指の人気作、スマイルプリキュアの後日談が読めるという事です。まあ冒頭にも書いていますが…。
 実は東日本大震災の影響から、かなりギャグが多めでテレビを見ている子供たちを明るく元気にする内容をメインに作られていたテレビ本編。同じくらいキツイシリアス展開もあったものの、結果的にはかなり人気なプリキュア作品となったのが今作です。
 テレビの最終回後の話を小説という形ではありますが、覗くことができます。
 各章が5人のプリキュアの一人一人の話になっていて、各々がどんな未来を歩んできたかも説明されますし、章が進むごとに段々と違和感に気づいていくプリキュアたちにもワクワクできるのです。これはまあ楽しい。好きな作品の後日談ってまあワクワクしないはずが無いですよね。
 だがしかし、アニメ全48話を見てからの方が絶対に面白い…。そう、これも冒頭に書いてしまっているのですが、絶対にアニメ見てからの方が楽しめるんですよ。
 前提条件が厳しすぎるのですが…それこそ第2章のあかねちゃんの話はアニメのワンエピソード、それも、ものすっごい人気のエピソードの後日談になっているので、先にそのお話を見てから…ってなってしまうんですよねぇ…。
 だから、だからこそ、当時見ていたけれどこの小説は知らなかったという人は、チラッと読んでみることをお勧めしたいのです。

さいごに

 これまでに紹介した本の中で一番読む事に準備が必要な作品でした。
 しかしこの作品面白いんですよ。アニメも小説も。これは間違いないです。