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「小倉日向」という名前

 先日、仙台に住む叔母に、「いっそこの手で殺せたら」と「極刑」の2冊を送りました。特に連絡もせず、いきなりです。
 叔母は、私が「小倉日向」であることを知りません。2作目が出たので、そろそろいいかなと、幼い頃からお世話になってきたお礼も込めて、送らせていただいたのです。

 その翌日、さっそく電話がありました。なんと叔母は、「小倉日向」を以前から知っていたというのです。なんでも、1作目の「極刑」がテレビだか新聞だかで紹介されたのを見て、「小倉日向」という名前に引っかかったそうです。

「小倉日向」は、私に縁のある地名をふたつ組み合わせたものです。そして、叔母もかつてその地に住んでいたため、こんな偶然があるのかと、印象に残ったそうです。今回、私が「小倉日向」であると知り、合点がいったと話してくれました。

 深く考えもせずつけたペンネームが、まさか叔母の目にとまっていたとは予想もしませんでした。拙作が何で紹介されていたのかは、結局わからずじまいでしたが、それを叔母がたまたま目にしたのも、偶然とは言え運命的です。小倉日向は、決して知られた存在ではなかったのですから。

 新聞にしろテレビにしろ、「極刑」を取り上げてくださったのは、おそらく仙台か宮城のメディアなのでしょう。そう言えば、「いっそこの手で殺せたら」も、紀伊國屋書店仙台店さんが、紹介してくださいました。

 仙台は、叔母の家に何度か遊びに行きましたし、当時80歳近かった祖母を車に乗せて、連れて行ったこともありました。やっぱり縁があるのかなと感じた出来事でした。