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2回目 『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』

 映画を語ろう。
 2回目は『るろうに剣心』を。

 まず最初に言っておかなければならないのは、わたしがこの作品を観た理由はたったひとつ「映画俳優/佐藤 健さんのファンだから」であって「『るろうに剣心』が好きだから」という理由で観ている方とは、まったく違う感想だろう、ということです。
 また、作品のファンの方にとっては不快に思う感想になっているかもしれませんことを先に表明しておきます。
 実際にわたしは原作である漫画『るろうに剣心』についてはほとんど読んだことがないし、その世界観も知りません。そんなわたしに何が語れるのかというと「ただの映画好きが『るろうに剣心』という映画作品を通して考えた『映画』とは」というものになるかと思います。『るろうに剣心』という作品について深く語ることはできないので、そういった内容を求めている方には向かない記事です。

 以下ネタバレがあります(たぶん)。
 そして、この作品のファンにとっては不快な内容が含まれている可能性がありますことを、予めご承知おきください。

























まず『実写化映画』というコンテンツについて

 どこまでを『原作/原案あり映画』と判断するのか難しいとは思いますが、映画を紹介する際に『○○を映像化/実写化』という言い方ができるものは『原作/原案あり』になるかと思います。こういった作品を『映画化/実写化』する場合、多かれ少なかれ「原作/原案の世界観を大切にする」という部分があるのでは、と想像します。基本の設定となる舞台やキャラクターを借りただけ、という残念な作品も存在するのかもしれません。
 ではこの『るろうに剣心』という作品はどうか。原作に対する愛とリスペクトが詰まっていたなと感じました。なおかつ『The Final』は、原作を全く知らないわたしでも、充分に楽しめる作品でした。初めから『The Final』『The Beginning』2作と知っていたので『The Final』で解らなかった登場人物同士の相関図はきっと『The Beginning』で解るのだろうな、というふわっとした期待もあったので、解らないなりにも楽しめた、という感想がより近いものにはなります。
 原作がマンガなので、コスプレ感があるとそれだけで拒否反応を示す方もいらっしゃるとは思うのですが、この映画に関してはコスプレ感はほとんどなくて、醒めるようなことはありませんでした。
 動いて音楽がついて、さらに技術も進んだおかげで表現の幅も広がって、しがないモノカキでしかないわたしは、映画ってちょっとズルい、と思ってしまいます。

アクションについて

 『The Final』について語らなければならない点は、アクションでしょう。とにかくアクションがすごい。すごい、としか表現できないこの語彙力の無さ。わたしがあまりアクション映画は好まないから、という理由もあるのかなと思うのですけど。でも、そんなわたしでも存分に楽しめました。
 アクションだけを切り取ったとしても、エンターテインメントとしては成功していたと思います。

剣心と巴

 『The Beginning』についてはもう、剣心(抜刀斎、と呼ぶべきかもしれませんが)と巴について語らずして何を語ろうか、ですよね。
 原作はほぼ未読のわたしも、剣心にとっての巴がどういう存在なのか、ということはある程度把握していました。原作でのふたりがどのように描かれていたのか解らないので判断が難しいのですが、ふたりが心を通わせていく過程というか、心の動きが見えにくかったように感じました。もしかすると原作の世界観を大事にした結果かもしれなくて、良し悪しだけでは語れないところ、なのですけど、わたしはもう少しそういった機微みたいなものを見せてほしかったな、と思いました。
 一緒に暮らしていれば情も湧くものでしょう、と考えられなくもないのだけど、そもそもの巴の目的は復讐で、だから彼女は苦悩するわけです。が、心が動くきっかけみたいな「何か」が明確には描かれていないように見えてしまい、その先の彼女の行動に共感しきれなかったような、そんな印象です。
 ただ、ふたりが共に過ごす日々、巴の最期の瞬間までは、映像としては、これはもう素晴らしく美しかったです。
 ラブストーリーなら、美しいものが観たい。
 わたしはこう思うので、この辺りの映像の美しさもまた、エンターテインメントとしては成功していると思いました。

総論

 二部作なので、当然のようにセットで観るべき映画ですが、『The Final』はアクションを、『The Beginning』は映像の美しさを楽しんでいただきたい作品です。
 さて、ここまで読んでくださった方はもうお気づきのことと思うのですが、ストーリーそのものについてはほぼ触れていないことについて、少し言い訳をさせてください。
 わたしは佐藤健さんが出演している作品については、ストーリー性、というものを重視していません。一番の目的は俳優・佐藤健さんを観ることなので。
 ですが、ストーリーがよくなければ、そこははっきり「よくない」と書きます。
 そもそもわたしは『るろうに剣心』の下地になっている時代の歴史的背景とかそういうものに対して、何か語れるほどの知識や教養がありません。この作品を観賞していて破綻や矛盾を感じることもなく、純粋に「ひとつの物語」として楽しみました。
 もし「ストーリーそのもの」については語りたいなら、ちゃんと原作から読み直します。
 原作の世界観を大事にしつつ、エンターテインメントとしてきちんと作られた、よい映画だと感じました、わたしは。これは佐藤健さんが主演だから、という理由ではありませんので、そこはどうぞ誤解されませんよう。

余談:佐藤健さんのこと

 わたしは佐藤健さんの一ファンとして、彼が出演されている作品をいくつか観てきましたしこれからも観ていくと思います。
 この作品も満足はしたのですが、個人的には「わたしが観たい俳優・佐藤健」ではないんだよなあ、と思っています。
 健さん、かっこいいから仕方ないんですけど、大体どういう作品でも「かっこいい」から離れることが(ほぼ)ないので、どうしても、あーまたこういう感じか、と思ってしまうのです。
 そういう意味では、映画ではありませんが『義母と娘のブルース』の麦田店長がすごくよかったから、ああいうコミカルなキャラとか汚れ役とかばんばんやってほしい。『いぬやしき』はちょっと良かった。「かっこいい」からは離れてないけど悪役だったので。『サムライマラソン』も好きだったなー。いや『サムライマラソン』でもかっこいいんですけど、時代物だったし「かっこいい」を前面に出した作品ではなかったので。『サムライマラソン』は小松菜奈さんを観る映画でもあった。
 今度の映画はラブストーリーなので「健さんがかっこいいのは当然のこととして」他の部分に着目しつつ鑑賞することになるかと。
 もし佐藤健さんつながりで、他の出演作をご覧になる方がいらっしゃいましたら、『世界から猫が消えたなら』では濱田岳さんに、『億男』では藤原竜也さんにぜひ注目していただきたいです。
 わたしは一体、何の話をしているのか。余談にも程がある。

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