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医療MaaS(Mobility as a Service)とは?

医療MaaS(Mobility as a Service)とは、オンライン診療システムや医療機器を搭載した自動車のことです。

病院に行くのではなく、病院が近くまで来てくれるサービス。地方部においては、医療従事者が減っていく中、病院に行くことが困難である人は増え続けています。そんな地域に必要になってきている医療サービスの一つです。

長野県伊那市での取り組み MONETさんの資料より

特に医療MaaSが必要となっているエリアは?


利用できる公共交通機関が少なく、かつては自動車を運転して診療を受けに来ていた患者も高齢化し、運転免許証を返納するケースも増えてくると、診察を受けに病院にそもそもいけない患者さんたちが増えていきます。
特に限界集落といわれる人口の半数以上が65歳以上で、水や道路等の生活インフラの維持・管理、共同生活の維持などが限界に近づきつつある共同体エリアでは必要なサービスとなってきています。これは中山間エリアが多い日本においてはこれからどんどん広がっていく状況です。

さらに、医療だけでなく独居の高齢者が増えていくエリアでは、生活インフラが整っている地域ではなく、生活用品を購入できる商店はひとつもない買い物難民になっている、通常の生活を維持すること自体が難しいエリアともいえます。
薬は、例えば子供さん、親戚が実家に帰ってきたときに代理で取りにくるなど、診察ができないまま投薬だけが続いている状態の方が一定数いる状況が増えているといえます。

小国郷でも、対象となる患者さんが周辺地域に分散していることが分かってきました。どんなエリアに巡回する移動診療が実現できるかも含めて小国公立病院では、プロジェクトの検討を進めています!(2024年2月より運行開始予定)

小国郷の患者さん分布図

これまでに進んできている移動診療の取組のこと。


医療機器を搭載した移動診療車による医療MaaSを日本で先駆けて導入したのは、2019年の12月長野県伊那市でその後、全国で横展開されています。小国郷で導入が進むと、熊本県坂本町に次いで、九州で2例目になります。熊本県坂本町は、2020年7月の豪雨災害で、診療所が被災し、無医地区となってしまったことがきっかけで導入されています。診療所がなくても、モバイル診療所が近くの公民館にやってきてくれれば、診療自体は車内でうけることができるようになります。

公民館まで患者さんに来ていただき、そこでオンライン診療を実施したり、薬のお届けサービスや、服薬指導サービスを実施しています。
こういったモデルを参考にしつつ、小国郷で実現できるモバイル診療の仕組みを進めています。

③小国郷で取り組む医療MaaSから始まる住民の幸せを実現する多世代ケアシステムのこと。

小国郷では、医療サービスが受けれない人の為だけの医療MaaSや医療DXではなく、多世代向けケアシステムを目指しています。

これは、地域医療、地域看護の使命として、病気の治療だけではなく地域住民の人生の幸せを医療面から支えることを目指してとりくむことを大きなコンセプトに掲げています。

小国郷に住むあらゆる世代の人たちが、幸せを感じられることを目指すためには、日々健康であること、笑顔で過ごせること、みんなで支え合うことなどを実現するために、医療MaaSや医療DXの手段を活用していこうとしています。

次回のマガジンでは、この小国郷が目指す多世代型ケアシステムと医療DXについて、ご紹介します。


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