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思春期に髪のコンプレックスを植え付けない

担当させていただくお客様には、小学校高学年〜大学生くらいまでの多感な時期のお子さんをお持ちの親御さんが多いです。

ご自身の髪をご満足いただける仕上がりと信頼が出来てきますと、次にご相談を受けるのがお子さんの髪についてです。

親の髪の悩みがそのまま遺伝するパターンもありますし、隔世遺伝する場合もあります。

それに加え、思春期や大学生くらいの年代ともなりますと生命力溢れる時期でありますので毛が太かったり、量が多い、癖が強い…など、髪、爪、肌などタンパク質によって作られる部分はハリやコシが隆々とします。

「他人と違う」ことがまだ許容されない

現代の日本でも「他人と違う」ということをまだまだネガティブに捉えられてしまう。これは仕方のないことで、小さな島国に、黒く真っ直ぐな髪や瞳、黄色い肌の人々が多数を占める単一民族国家のなかで、外見に対しもっと広い価値観が生まれることは難しいと思います。

教育がー風潮がー、と人々が海外に比べて思考の切り替えが遅れているという意見もありますが、いくらデジタルの世界で多様性についての情報を取り入れようとも、一歩外に出れば街ゆく人々や学校で会う友人など、リアルと比べてしまえば少数派であることには変わりがありません。

思春期〜大学生くらいまでの構築する社会が小さいうちに、人と違って良い、コンプレックスを持つなというほうが酷かもしれません。

美容師が気をつけるべきこと

お子さんたちは外見に対する意見(純粋な疑問から悪意ある発言まで)が飛び交う小さな社会の中で一所懸命に生きています。

美容室に行くということは、いつもの小さな社会を離れ、よく知らない大人に髪を切られる未知の体験なわけです。(美容室に慣れてくれるのにも回数と時間がかかります)

意を決して向かった先で髪の毛のプロとされる人に「すごいくせ毛だね」「これは大変だ」「難しいな」と言われてしまったら普段から感じていたコンプレックスが確定的になり、自分も素敵になろうというセルフイメージが持てなくなってしまいます。

美容師ができること

僕たち美容師は思春期のそんな髪の悩み、コンプレックスを「もっと活かせるよ」「良い持ち味になるよ」「大したことではないよ」と肯定し、応援してあげることが大事だと思います。(もちろん発言だけではなく技術的にも習熟しておくことも必要)

地毛を愛せる、、とまでは行かなくとも、自分を殺さずとも生きていける、オリジナリティを探して楽しめるのだと思ってもらいたい。

それが僕ら美容師の仕事としても楽しくなってくる未来への種であると考えています。


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