見出し画像

それは本当?

みじめな私」の眼鏡をかけて世界を見ていたこと(投影)に気づいたのだが、今度はそこにくっついている感情を観察してみることにした。

眼鏡にはいろいろな感情が絡まっている。

「みじめな私」をしばらく観察していると、「母がかわいそう」「馬鹿にするな」という言葉と共に何とも言えない悲しみと締め付けられような感覚を身体に覚えた。

小学5年生の私は、おんぼろ自動車を運転し、同じ服を着回している母を恥ずかしいと思っていた。思ってはいたけれど、笑われたとたん「母がかわいそう」「私の母を馬鹿にするな」と悲しみと怒りが生み出されたのだ。

インテグレイテッド心理学で学んだ事実と解釈に分けるワークは非常に有効だ。

私が見ている世界(投影)は、「起きる事」に感情がくっつくことで臨場感溢れる映像となって目の前に現れる。ところが、事実と解釈に分けた途端、投影から自分を切り離して「事」を見られるようになり、違う視点から「事」を見られるようになるのだ。

「母がかわいそう」ははたして本当だったのか。

母は、自由に楽に移動できる手段を手に入れられた。母は車を運転して学校に来た。木下君が笑った。これが事実だ。かわいそうな眼鏡(解釈)で見ていたのは私だけだったのだ。

この視点から「事」を見た瞬間「みじめな私」と「かわいそうな母」は消え去った。

多くの人はなんらかの苦しみや悩みを抱えて生きている。それは「生まれた」時からサバイブしようというマインドが働くためデフォルトなのだと言う。

その苦しみ、本当ですか?

*写真paris miniのウェブサイトより


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?