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コンプレックスか魅力か

私は毛深い。

肌が浅黒くて毛深いのは南国出身ならではの悩みと思われるが、記憶を思い返してみてもこんなに毛深い友達はいなかったように思う。

高校卒業後、アルバイトで稼いだお金を脇の脱毛に全て費やした。当時、まだエステ脱毛は高額で、皮膚科での鍼脱毛。一本一本処理するのだから剛毛多毛な人には時間もお金もかかる。

数年後には1年で3万円という格安のエステ脱毛が出始め、30分程度の施術を4、5回繰り返すだけでほぼ完了し、時間とお金を注ぎ込んだ鍼脱毛は一体なんだったのだろうと毛深い遺伝子を恨んだ。

当時、フランスに留学していて一時帰国し友人と会った際、カジュアルだけどセンスの良いシャツの袖から出るふさふさとなびく腕の毛を見た時の衝撃は今でも覚えている。聞けば、フランスでは体毛も体臭もその人の魅力の一部としてみなされるというのだ。フランス人に生まれなかったことを恨んだ。

その後、カナダに引っ越すこととなり、毛問題から解放されることを期待したが、ここには腕や足に毛をふさふさと生やしている女性などいなかった。日本ほど毛に敏感ではないが(というより、他人に無関心)、夏はノースリ、ショートパンツで肌の露出度が高いため、結局膝下の剛毛を脱毛することなった。

先日、ケイティペリーが子供を産んでから脛毛を剃っていないと発言したことが話題になっているが、「実は私も」と乳児育児中の母親たちの多くがこっそり思ったのではないだろうか。

あのふさふさの腕を目撃してから20年、とうとう北米にも「毛=魅力」の時代がもしかしたらやってくるのかもしれない。

ところで、毛深いおばあちゃんを私は見たことがない。年齢を重ねれば毛問題から解放されるのかと思っていたが、更年期に差し掛かった私の身体には予想外のことが起きている。体毛が濃くなってきているのだ。

老いて介護される身になった時、おむつ交換で毛にう○ちが付いていると処理が大変らしいと聞いた50代の友人が下の毛が白髪になる前にと最近ブラジリアン(VIO)脱毛を始めた。

ある日、白い毛が一本生えているのを見つけてしまった私は、これはヤバいと去年からブラジリアン脱毛を始めた。今年も激痛に耐えながら3回パッケージを終えたのだが、ツルツルの恥骨に残る毛の存在に気がついた。白髪4本。。。

老いるのが早いか、毛の処理速度が早いか。脱毛バトル、私の毛問題はまだまだ続きそうである。




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