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あの日、私達はカウワイ島のホテルで眠っていた。 真夜中にドアを叩く音で起こされた。津波が来るから今すぐ高台にある小学校まで逃げろと言われ、1歳にもならない娘を抱き、貴重品だけを持って車に乗り込んだ。 高台の小学校には、すでに沢山の人が避難していた。設置された一台の小さなテレビを無言で見つめる人々の姿を思い出す。大変なことが起こっている。それだけは分かった。 テレビには津波が街を襲っている様子が映し出されていたが、その時はまだ他人事のように眺めていた。 Japan、Ja
これは娘がキンダーガーテンの時に描いた桜の木だ。 娘たちの通う学校では、春休み前の3月になると、子供が日々学んでいること、取り組んだプロジェクトについて親に紹介する生徒主導の面談(Student led conference)が開かれる。 少し興奮しながら案内をしている娘が、自分の絵はこれだよと指さした瞬間、正直少しがっくりしたのを覚えている。 こんな桜の絵が並ぶ中、娘の桜の木はぐちゃぐちゃにしか見えなかったから。 後日、娘が作品を持ち帰ったとき、これは桜の木を上