🏍【GPレポート】🏁Kabutoライダーたちの“ホーム”グランプリ ーRd.16 日本GP🇯🇵
【Kabuto GPレースレポート】
<2022MotoGP™ 第16戦日本GP>
パンデミックの影響で3年ぶりに開催された、モビリティリゾートもてぎ(栃木)での世界選手権は、Kabutoファミリーにとって大きな意味があった。レミー・ガードナー選手や鳥羽海渡選手にとっては、すでに知っているコースであり、ジョエル・ケルソ選手にとっては初めての日本でのレース。オージーケーカブトのある日本でのグランプリレースに多くのKabuto本社スタッフが、ここモテギに駆けつけた。そしてレーシングサービスクルーはレミー・ガードナー選手にニューデザインのF-17レーシングヘルメットを用意していた。
ただこの週末は難しい天候に見舞われ、GPは完全にコンディションが崩れた。台風の近づく金曜は風と曇り空、土曜は激しい雨が降り続いた。が、台風が消え去った日曜は、まさに完璧な秋晴れのレース日和となった。
コースはオーバルトラックとロードコースの世界初同時運用のサーキットとして国内外に名を知らしめた(現在はオーバルのレース運用はない)、立体交差を持つ独特のテクニカルな「モビリティリゾートもてぎ」。全長4.8km、短いストレートを右6/左8の中低速コーナーでつないだストップ&ゴーのレイアウト、めまぐるしく変わるコンディション。世界を戦うトップチームとライダーはどう攻略するのか? レースを待ちに待った日本のオーディエンスたちがモテギに集まった。
🏁《MotoGP™クラス》
\限界の限界を追求し、攻めた続けた…/
🏍87 レミー・ガードナー選手
🕐予選20位🏆決勝19位
レースを終えて、レミー・ガードナー選手は複雑な心境だ。豪雨時のプラクティスで一時8番手のタイムをマークしたが、雨がゆるくなるにつれライバルたちが徐々にタイムを上げ、順位を落としてしまう。
土曜、台風は温帯低気圧に変わり、予選は結局20番手に。迎えた日曜は絶好の晴天、秋空。コンディションが良くなると、レミー・ガードナー選手にとっては厳しいレースが待ち受けている。
「確かにいいレースではなかった。レースで快適に過ごすために必要なリズムが、まったくつかめなかった。自分の限界の、さらに限界を追求しながら走ったんだ。」
「僕の持っているものでは、これ以上は無理なくらい。今持っているもので、これ以上の力を発揮できないのは確かだ。正直なところ、もうなにも言いようがない…」。
険しい表情で首を振ったレミー・ガードナー選手。レース終盤、チームメイトの🏍25 ラウル・フェルナンデス選手(スペイン)と激しいバトルを展開。ふたりは昨シーズンのMoto2クラス同様、接近戦を楽しむこととなった。
「このレースは誰が勝つのか、今日はどちらが最後から2番目にゴールするか、だったね」と皮肉まじりで言った。
「でもいい時間を過ごすことができたことは確かだ。最終ラップで僕が仕掛けたんだ。レース後、ラウルははじめ怒ってたけど、僕は彼に『そんなふうに受け取らないでくれよ、少なくとも僕たちは楽しめたんだから』と言ったら、すぐに理解はしてくれたんだ」
レミー・ガードナー選手は少しずつ笑顔に戻っていった。ラウル・フェルナンデス選手は18位フィニッシュ。その0.09秒遅れの19位で完走している。
🏁《Moto3™クラス》
\レースのダイナミズムは、厳しい現実を突きつけた/
🏍27 鳥羽海渡選手
🕐予選18位🏆決勝21位
🏍66 ジョエル・ケルソ選手
🕐予選22位🏆決勝リタイヤ
ジョエル・ケルソ選手が初めてのもてぎに苦戦しQ2進出を逃したのに対し、鳥羽海渡選手は次のセッションに進出。しかし強い雨に見舞われてしまい結局18番手となり、ジョエル・ケルソ選手はその4台うしろの22番手となった。
日曜、ふたりは状況を一変させるべく、固い決意をもってグリッドに並んだ。シグナルブラックアウトと同時に好スタートをきる。しかし2人のMoto3ライダーは完全に運に見放された。1周目を無事に走りきることができなかったのだ。
ジョエル・ケルソ選手は第9コーナーで少しアウトに膨らみながら、コースの最も汚れた部分に入ったところで転倒してしまった。スロットルを開けた瞬間、バイクは彼を宙に放り投げたのだ。国際映像では集団後ろの方で、オレンジ色のヘルメットとグリーンのマシンが回転するのがわずかに映し出された。
その次のコーナーではなんと、鳥羽海渡選手が他のライダーと接触、転倒してしまう。悔しさはすぐに消し去り、立ち上がってコースに復帰した。
彼はこのトラブルに対する怒りよりも“母国GPを完走したい”というプライドに突き動かされていた。最後尾からひたすら孤独なレースをすることになったが、日本のファンの前で諦めることなくコースを攻めつづけ、完走を果たしたのだ。
ジョエル・ケルソ選手はレースに復帰することはなく、ピットでヘルメットを脱いだ。やや腰を打ったようで痛そうにしていたが、「大丈夫だよ」とスタッフに応えていた。
残念ながら日本グランプリでは思うような結果を出せなかったが、レースのダイナミズムは、良いことも悪いこともたくさんある。すべてのレースを終えると、世界選手権というコンチネンタルサーカスはすぐに解体、梱包され、次の週末はまた、ライダーたちは再びKabutoを身に着けて走ることになる。ポジティブに切り替えていくことが幸運を呼び込むのかも知れない。アジアラウンドは、モータースポーツが特に熱い注目を集める、微笑みの国・タイに向かう。
Photos:Rafael Marrodan
(MotoGP™第17戦 タイランドGP 9/30〜10/2)
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