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なぜ冒険するのかって?
よく、なぜ冒険をするのか、なぜ山に登るのか、という質問に対して使われる返事として「そこに山があるからだ」という返事をしたと言われている(日本語訳が正しいかどうかは別として)が、ジョージ・マロリーのその答え「Because it is there」よりも、個人的にはチャールズ・バートンが書いている「The devil drives」の方が私自身が感じている本質的な感覚に近い。
The devil drivesとは直訳すれば「悪魔が俺を操っている」ということ。探検家として英国一の実績を挙げたバートン。19世紀の大英帝国を代表するような探検家であるが、探検に出る理由として自らの意思ではなく、それは「悪魔」のせいだと言う。
ポール・ツヴァイクの「冒険者は、自らの人性の中で鳴り響く魔神的な呼びかけに応えて、城壁を巡らした都市から逃げ出すのだが、最後には語ることのできる物語を引っ提げて帰ってくる。社会からの彼の脱出は、極めて社会化作用の強い行為なのである」という言葉を想起させる。
自分の内側で鳴り響く呼びかけは、悪魔的なささやきだ。それに応えると不利益を被るかもしれないし、命の危機にも晒される。
多くの人は悪魔の呼びかけに恐怖し、それに応えないのだが、社会の中には一定数、その悪魔的呼びかけに応じる人がいる。
冒険者に対する社会からの「なぜ冒険するのか?」という質問は、翻訳すれば「なぜ悪魔の呼びかけに応じたのか?」ということだ。
なぜかって?それは悪魔が呼びかけたからだよ!
The devil drivesなんだよ。