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叔母の来店

88歳の母方の親戚の叔母が店に来てくれた。
先日旦那さんを亡くしたばかり。
娘(私より年上だが)と温泉旅行の帰りに遠回りして、2人で寄ってくれたのだった。
僻地まで来てくれて、長時間の車で疲れたのか、店のソファで横になる叔母。
それでもにこにこと珈琲を頂いて、うちの子供の写真を嬉しそうに眺めていた。
帰り際に「元気でね」と握った手は、ほんのりひんやりしていて、もうこの店に来てくれることは恐らく最後だろうなと、もしかしたら会うのだって最後になるかもしれないと思ったら少し切なくなって、「またね、会いに行くね」と言いながら、握る手にぎゅっと力を込めた。

離れていても、ふとした時に思い出して、どうか幸せであれとお互いに思い合う存在がいるのは、嬉しいことだ。
お元気でいてください。

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