Pカップには手を出すな
3rd Anniversary プロデューサーズカップ(以下Pカップ)に参加してみてのレポート記事です。
編成や走法についての解説はありませんし、結論にいたってはタイトルで回収しているので、ひとりの人間が9日間を駆け抜けながら壊れていく様が見たい方のみ続きをご覧ください。
3周年を記念して”深淵(アビス)”を差し向けてくるな
Pカップとは
アイドルマスターシャイニーカラーズ(以下シャニマス)のイベントの1つで、アイドルごとの獲得ファン数をランキング形式で競うものです。順位に応じて報酬が貰えます。
「オイオイオイ報酬だと?」
「まさか限定カードとかじゃあねーだろうな!」
「だからみんな参加せざるを得ないってわけか・・・」
「〇山許せねぇ!」
安心してください。Pカップの報酬はゲーム内で普通に手に入るアイテムばかりで、順位における格差も微々たるものです。
ただ1つ『称号』を除いて。
「し、称号・・・?」
「それには一体どんな意味が・・・!」
意味は特にありません。
「・・・・・・????」
順位の証です。それ以上でも以下でもありません。
「そんな物のために・・・?」
「どうして・・・?」
4/12(月)Pカップ初日
シャニマス自体はリリースからプレイしているのですがPカップはスルーを決め込んでいました(意味がないので)。あさひの信頼度を上げる目的で冷やかし程度に走った2.5周年時も、ファン数6000万弱を稼いだ時点で”ヤバさ”を感じて撤退するなどしています。
この時は101位~1000位の証である銀の称号を獲得しました。銀ボーダー自体はもっと低くファン数1000万ほど。大体1回のプロデュースで200万前後稼げるので、5周もすれば銀称号は貰えるんですね。(もちろんアイドルによってバラつきはありますが)
銀まで。
銀までを目標に参加するのは戯れとして全然アリだと思います。なんならウィークリーミッション「フェスアイドルを3人誕生させよう」のついでに達成できるかもしれません。
金以上はダメだ。
100位以内の証、金称号以上を得ようとするならそれなりの『代償』が必要になります。
Pカップ期間である約9日間、娯楽の全てをアイドルのプロデュースに捧げる覚悟はありますか?
Pカップ開催当日、私は何を血迷ったのかウキウキでクラウチングスタートを切っていました。金称号を目指して。
そんな『代償』が必要になるとも知らずに────
4/13(火)2日目
平日昼間は”懲役”があるため、プロデュース活動は夕方~深夜にかけて行いました。それに伴いこの記事では起きてから寝るまでを『1日』としてまとめています。
さて、あれだけ意気揚々とスタートしたにもかかわらず、初日はほとんど走れていませんでした。W.I.N.G.編を6周してファン数は1200万といったところでしょうか。ガチ勢なら1時間半もあれば稼いでしまう数字です(Pカップガチ勢って何)。私はそれに4時間を費やしました。
本当にこんなペースで100位以内、金称号は獲得できるのでしょうか?
少し計算してみましょう。
前回の芹沢あさひ金称号ボーダーが2億なのでここを目標とします。2億稼ぐには1周200万として100周する必要があります。私が1周にかかる時間は40分なので────
40分 × 100周 = 66時間40分
すでに恐ろしい数字がはじき出されていますが、これが金称号獲得に必要な時間(予想)です。
私の方に与えられた時間はどうでしょう。1日のうち自由に使える時間は8時間ほどです。最終日はほぼ走れないものとしてPカップの期間を8日間と考えると────
8時間 × 8日間 = 64時間
え!? 足りない!?
いやいや、Pカップは土日を跨ぎます。2時間40分捻出する程度わけはないでしょう。
いや、それでも・・・・・・プロデュース以外何もできなくないか?
と、察した時点で引き返せばいいものを・・・・・・
”力”に手を染め、W.I.N.G.編1周を20分で走ることに成功した私は、3300万を稼ぎ2日目を終えるのでした。
何が彼を駆り立てるのか
4/14(水)3日目
1周を20分で走れるということは、前述した必要時間の半分で済むということです。それでも1日4時間は走る必要がありますが、十分現実的なノルマになりました。これで金称号は貰ったも同然────
────まあ
甘かったのよね、結論から言えば
そう、甘かった。
金称号を目指す上で最大の敵は『時間』ではなかったのです。
”モチベーション”
Pカップを走るためにはアイドルのプロデュースを効率化する必要があります。あらゆるイベントをスキップし黙々とオーディションをこなしていく必要が。いつしかマウスをクリックする指は止まり、視線は別モニタで流している動画へ釘付けに────
実は3日目は”刑”を免れていたため、その気になればいくらでも走ることができました。実際私もそのつもりで日の高い時間からPCに向かっていたのです。プロデュースを開始して6時間が経とうという頃、本来であればそこに3600万人のファンを得たあさひが誕生しているはずでした。
ところがどうでしょう。実際に稼げたのは1800万。4時間のノルマにも達していませんでした。
1周20分で走れることと、1周20分で走り続けられることはイコールではなかったのだと、この時になってようやく思い知るのです。
(こんな調子で走り切れるのだろうか・・・・・・)
暗雲が立ち込め始めたPカップに不安を覚えながら、プロデュースしたりしなかったりを繰り返し、この日は結局1日中PCに張り付くことになってしまいました。
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後にガチ勢のブログで知るのですが、Pカップを走る際はモチベーション維持のために志を共にする仲間や友達と通話しながらプロデュースすることが推奨されているようです。
・・・・・・・・・・・・
ひぃん・・・
4/15(木)4日目
各アイドルのボーダーは周回性能の高さなどで上下します。あさひはとりわけ性能がいいため必然ボーダーは平均より高くなります。しかしこれは分かっていたことなのでうろたえる必要はありません。全て想定内です。
落ち着いて
4/16(金)5日目
限界が近い・・・・・・?
4/17(土)6日目
休日に入りボーダーの上昇が加速します。ですが私も100位近辺になんとか食らい付いていました。
モチベーションは大丈夫だったのでしょうか。4日目、5日目はノルマをこなせているようですが・・・・・・
なんと、ここにきて私のモチベーションは回復していたのです。
その背景には、1つの『心理』と1つの『真理』が関わっていました。
・心理
「認知的不協和」と呼ばれる理論があります。
人は、自分の認知(考えや態度)と矛盾した認知を抱えたときに不安を感じます。この状態を解消するため、多くの人は、コストの低い認知を変更することで他方の認知を正当化しようとする、という理論です。
私に当てはめた場合こうなります。
認知1:私はPカップを走っている
認知2:Pカップは退屈で無意味だ
このままでは私は退屈で無意味なPカップに時間と労力をつぎ込んでいることになります(それはそう)。そこで、私の脳は自分を正当化するために認知を歪めるのです。「Pカップに時間と労力をつぎ込んでいるのは、Pカップを走ることそのものが楽しいからだ」と。
ここで、認知1ではなく認知2の方が変更されてしまうのは、すでにPカップに相当なコストを支払ってしまっているという理由からでしょう。損切りができないタイプですね。絶対にギャンブルにハマってはいけません。
ともかく、認知のバグによって私はPカップを苦もなく走ることができていました。(ホントに?)
頭がおかしくなったからではなく?
・真理
結局推しへの「愛」なんだよな。
ずっと【空と青とアイツ】の衣装でプロデュースしていたのですが、そういえば、となんの気なしに衣装を変えてみたところ、これが効果てきめんでした。
【空と青とアイツ】
大好き
【はり・はり】
!?!? ヒィッ! か、かわ……かわ……
【アムールオブホワイト】
ミ゛ッ(絶命)
続けて、『獲得ファン数に応じて次の周回の衣装を変える』という天才の政策を施行したことにより、目に見えて能率が上がり始めます。
230万を稼げた場合の【アムールオブホワイト】では「顔良・・・いや、顔はずっと良かったわ・・・しかし改めて思う、顔が良い」とドーパミンどばどばで走ることができました。
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ということで、脳の半分はバグり、もう半分はクスリ漬けという”終わっている”環境が私を突き動かしたのでした。
残り3日、いや、2日でいい……終わり続けてくれーーーーー!!!
4/18(日)7日目
7日目の夜、あさひのボーダーが2億を突破しました。つまり、当初の想定よりも多く走る必要があるということです。もとより(脳と生活は)分水嶺を超えているので、私は可能な時間すべてをプロデュースに捧げる所存でした。
何が彼を
4/19(月)8日目
実質的な最終日です。寝て起きたらもう走る時間はありません。
どこまで走るかはもう決めていました。
2億8300万。シャニマスの事務所である283プロの語呂合わせです。勝つにせよ負けるにせよ綺麗な数字で終わりたい、という思いもありました。
最後の周回を走りきり、ファン数をキリ番に調整した頃には、20日の4時を回っていました。Pカップの終了は同日の午前12時です。残り8時間でボーダーとの差は2200万。休日ならいざ知らず、平日の朝にこの差を埋めに走る人間がどれだけいるのでしょう。
────セーフティリード・・・・・・!
当初の予定であった2億を8000万も上回る壮絶な戦いとなりましたが、私は確かな勝利の予感を胸に、浅い眠りにつくのでした。
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……でも、ねぇみんな、
これじゃまだまだだなって思いません?
いらんいらんそういうのは。
4/20(火)Pカップ最終日
起床し、身支度を整えた私は仕事へ向かいます。
職場のデスクに腰かけると、何を思ったのかスマホでシャニマスを起動しました。順位を確認したところで走ることはできません。私のPカップはつい5時間前に決着したのです。
???
ボーダーが500万にまで迫っていました。
3周すれば、1時間もあれば逆転されてしまう数字です。Pカップ終了まで残り3時間の出来事でした。この500万の範囲に、20人余りがひしめいています。
”捧げてる”奴が多すぎるだろ
本当の最終局面。
ここを抜け出た者が金称号をつかみ取る。
ですが私は走れません。
いや、走れます。休憩時間、60分だけ・・・・・・
決断の時はすぐにやってきました。
あ・・・あああ・・・(ぐにゃあ~~~~)
Pカップ終了まで、残り1時間。
この瞬間私の頭には2つの選択肢が浮かびました。
①潔く諦める
時速で上回られていた場合、もうどうあっても追いつけません。キリ番を崩すのももったいないし、美しいまま死ぬのもアリかも────
② 諦 め な い 、 絶 対
私「────っ! 休憩入ります!」
ボス「早くない?w」
うっせーーー!!! こっちは称号かかっとんじゃーーー!!!
どうなっちゃうの~~~~~?
結果発表
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【95位】
【金称号】
結果、ボーダーとの差200万(W.I.N.G.編1周分)という超接戦を制し、なんとか金称号を獲得することができました。
嬉しいなぁ・・・・・・────────
Pカップを走ったみなさん、本当にお疲れさまでした!!
総括
正直、最後のボーダー際のデッドヒートだけは熱かったと言わざるを得ません。ギリギリ残れるか否か、くらいの順位が一番楽しいのかもしれませんね。その瞬間を味わうために犠牲にするものが多すぎますが・・・・・・
反省点としては、編成について何も調べずに走ってしまったことです。特にEXスキルはほぼ無頓着でした。虹EXスキルも持ってなかったし・・・・・・
なので次回はもう少し上手く走れる気がするんですよね。
え? 次回ってそりゃ・・・・・・
3.5周年プロデューサーズカップに決まってるだろ!!!
ダメだ、あさひ・・・・・・
俺の話を聞いてくれ・・・・・・
約束したじゃないか
次はVo編成で金称号目指そうって
そのために【Housekeeping!】も完凸したんだ
【ノー墨・勝者フェイス】も・・・・・・
はい・・・・・・
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1度でもPカップを完走すると脳が破壊され、Pカップを走ることに快感を覚えるようになります。
決してPカップに手を出してはいけません。
サポートは環境保全や恵まれない謝罪Pの為に使われます