見出し画像

当店の金光饅頭の別名「ゆうざき饅頭」の名前の由来

金光饅頭にはそれぞれの店で違う名前がついている

金光饅頭とゆうざき饅頭どう違うんですか?
と店頭でも聞かれますが、同じものです。

わかりやすい例は京都銘菓の生八つ橋でしょうか。
色々なメーカーが出していますが、おたべ、とか聖(ひじり)、夕子などというパッケージや商品名は聞いたことがあると思いますが、
どれも「生八つ橋」ということになります。

金光饅頭の場合、今は製造元が数軒になってしまいましたが、最盛期は饅頭屋が10軒以上あったそうです。
金光で作られていて、カステラ生地に金の金光教のマークが入ったもの(ぐらいしか特に定義はないと思いますが)を
「金光饅頭」というため、店ごとに区別するためにそれぞれの呼び名がつけられたのだと思います。

「金光饅頭」という名前のほうが知名度が高いため、並べて書いてあると別物の饅頭と思われることが多いのですが、
この名前やパッケージで覚えてくださっているお客様ももちろんいらっしゃいます。

「ゆうざき饅頭」の名前の由来

「ゆうざき」は「木綿崎」と書きます。

金光教本部(こんこうきょうほんぶ)の背後には小高い丘が連なっています。

昔、金光の町まで海が入り込んでいた頃その小高い丘は岬で、周囲は船の行き交う航路になっていました
 
ある日唐の貿易船が航行中台風で大しけに遭い転覆しました
その積み荷の木綿が流れ着いたことからこの丘を
「木綿崎山(ゆうざきやま)」と呼ぶようになりました
 
現在その転覆場所、倉敷市と浅口市の境には「唐船(とうせん)」という地名も現存しています
 
この木綿崎の突端には航行者の目にとまる松があり
藤原高藤(ふじわらのたかとう)が太宰府に赴く途中
その松を見て詠んだ歌があります
 
神のます 浦々ごとに こぎすぎて かけてぞいのる 木綿崎の松 
                 『夫木抄』(巻二十六)
 
当店の饅頭は金光饅頭のなかで小川屋の特製として
その「ゆうざき」の名を頂き
ゆうざき饅頭と名付けていただいたものです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?