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【小川屋の色々裏話】水ようかん。シンプルだからこその難しさ

《水ようかんの「あっさり、甘くない」と「水っぽい」の境目》

同じ原料、分量を使っていてもほんの僅かな条件の違いで仕上がりが変わってしまう。
何事にも、特に食べ物では良くあることですが、
シンプルで繊細な味になるとそれはより顕著に感じられます

水羊羹は舌触り、甘味をいつも同じ味に、均一にするのが難しい。
さらさらして繊細なのでほんのわずかな違いがはっきりと出てしまいます。

小豆の産地は同じでも銘柄が変わるだけで、餡にしたら差は分かりにくいですが、水羊羹だと舌触りや後味に違いが出てしまい、
お客様に意見を聞いたりしながら修正したりと未だに調整に苦労します。

寒天でなければ出せない味もある

最近は手軽にゼリーが作れる「アガー」も市販で買えるようになりました。
冷凍などにも耐えられる商品もあるなど、ゼラチンや寒天のデメリットを補う部分があり、製品が扱いやすいのでよく使われています。
スーパーやコンビニで見かけるデザート類も大多数でアガーなどのゲル化剤や増粘剤が使われています。(アガーは表記としてはゲル化剤になります)

アガーを使った水ようかんもあります。
しかし、私も試してみましたが寒天のもつ独特の後味の
キレや甘味の感じかたが思うように再現できず、
結局扱いの難しい寒天に戻りました。

寒天はデメリットもあります

冷凍できない、離水する、酸に弱い等と制限の多い素材です。
コストもわりとかかります。
でも、寒天にしか出せない特徴もある。
そして守っていきたい昔からある原材料の一つです。

手間がかかったり技術が必要だったり、日持ちが悪かったり、現代には向いてなくても
それでも、和菓子屋が昔からの材料、製法で作り続けてきた伝統文化ですから
それを引き継いで、味や食感は時代にあわせて研究をしながら
いいものを作っていきたい。
そうやって伝統を引き継ぎつつ、より新しい商品をこれからも作っていきたいと思っています

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