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12月21日 日記

整理整頓がほんとうに苦手で、でもすぐになにか買ってしまうから、部屋がいろんなもので沈んできてしまった。空のペットボトルを今度袋にまとめておろしてきて、と母親に言われてそういえば分別のしかたも捨てる日もしらない、ってことに気がついた。わたしはこの土地の分別のルールを把握していない。ひとりぐらしをしてたときは何回もその月の分別のカレンダーをみていたし、そういうルールのない寮に住んでからもなんとなくおぼえていた。

どの土地にも思い入れがない。あるよって言いたくなることはたまにある。

リトルフォレストのドラマで主人公が、離れない決心ができないから畑をつくらない、みたいなことを言っていたきがする。本棚をいつまでも買わない理由かもしれない。でもそういうのでなくて、わたしはこの家でなにもまかされていない。それにだれも疑問をもたない。父と兄が、妹とわたしの不甲斐なさで母を咎めていたらしいけど。あたしのいないところで。

今住んでいる家のなかの人間関係のことはたまにかんがえるけど、今は思考がうすぼんやりしている。家をいちど出たときの鋭い感情は、もうすすんで持ちたくない。さいきんはすぐ疲れてしまうからたくさんのものはいちどにもてない。

あたしはこの家ににげてきたのだろうか。薬をのんでお酒で失敗して、たまに泣くわたし。だれも咎めない。みんな、怒ってない。みんなやさしい。わかっている。わかっているつもり。
自分がさいきん、ここでありがとうと言えば円滑にすすむ、みたいなことをできるようになってきて、やっとただの関係を持てたとおもった。不誠実だともおもう。高校生のとき、父とふたりで車にのると気まずい、と母親にこぼしたら家族なのに、って言われてすごく印象にのこっている。家族は黙ってても気まずくない、のか、そのほうがいいのか、とおどろいた。今は一緒に酒を飲んだりするけど、別にだまってたら気まず、とおもう。

今日はふと妹の心境が気になった。まだ幼くあかちゃんみたいにふよふよしている、年相応のゆらぎもあるけれど、すぐに手をつないでほしがる妹。高校のめんどうをみてやる真剣さも持ちあわせてなくて、ずる休みどうしゼルダをしていた。かたほうがして、かたほうがみて、はなす。一緒に鍋でラーメンをたべる。バイトを休んだと伝えればほんとうにうれしそうにしてくれた。学業から逃げ帰ったわたしに、この子は勉強をみてくれという。

わたしの今をわたし以外しらないから、わたしのわがままで心をひらくし、黙ってろよ、みたいなことがたくさんある。もっと人に踏みこんでいいと、そういう仕事だからいい、失敗しても起きあがりかたを知ればいい、そういう仕事。をしている。らしい。人の素性を聞くのはあんまりというか、そういう行為は大の苦手だなってはじめてしった。それが必要な場面もあるし間違った踏みこみ方でだいなしにしたこともたくさんある。でも、だから?、どうして立っていられるんだろうとおもう。そういう立ちかたをしたくないから、もうすでに逃げだしたいんだとおもう。

血縁の話はやさしくできないし、したくない。やさしいとだれかが傷つく。だれもが誤解する。わたしが優しくない。
矛盾や行間なんて本人すらわからない。柔さを、なんの悪意もなく、飛びこえるしふんずけちゃう。あたしのもってるナイキのいいやつみたいな淡い色の靴が、とても簡単に。

絵本がかきたかった。さいきんは睡眠薬がなかなかきかない。でもひさしぶりに本が読めた。鬱の本。mol-47の人が書いててびっくりした。共感に嫌気がさしたり、なきそうになったりしながら、ぼうっとして過ごした。妹とゲームしながら犬を撫でて、本を読めないことが本に書いてあってとても安心した。なんか化粧をする気になれなくて、えいやって仕事をやすんだけど、本が読みたくて休んだきがする。

わたしだけだ、とおもった。わたしのことは。本を読んでおもったし、寝る前もおもった。何度もメモアプリにためてる自分の文章をよみかえして、ながいとわかんなくなっちゃって、でも何回もよんだ。まもられている、ともおもった。わたしはわたしにまもられてる。わたしの憂鬱や希死念慮たち、そしてたまにでる穏やかな声に。その幼稚さやさみしさにも。お気に入りの毛布みたいに、安心するためになんどもよんだ。よみながら眠りにおちて、今日だってなにもしていないけど、おだやかだった。

犬がくっついてくるなぁとおもったらふやかして冷ましてたごはんがほしくてたまらなかったらしい。おもしろい。妹と犬とくっついてすごした。妹の距離になれてからは、よく近くにいる。
歌集はまだずっしりしていて読めるかわかんないけど、わたしはまもられているから。ぼんやりすることしかできないな。家の光が暖色でよかった、とおもった。

なんとなくうるせー死ねってハッシュタグをつけようとして、なんかさらにうるせー死ねになりそうだからやめた。常にうるせー死ね、とおもっている。

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