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【#0から保育】 第10回 保育とキャバとシングルマザー(後編)

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小・中学校の同級生で、現在シングルマザーとして子育てをしながら保育園で働いているマミ(仮名)。久しぶりに再会すると、息子のケンちゃん(4歳)を連れてやってきた。

今回は前編に続いて、コロナ禍での保育園の現状や、保育・子育て環境について思うことを聞いた。

(前編)

ーコロナ禍で向き合う
 0歳児保育

小川:マミの保育園ではコロナの影響はどう?

マミ:うちの園は休園にはしなかったけど、自粛できる子はしてもらって、その分保育料を返金してた。まあそれも最初だけで、今は普通にやってるけどね。

小川:子どもたちはマスクはしてるの?

マミ:してもいいけど、乳児はNG。年長の子たちも朝来るときくらいしかマスクは付けてないかな。保育士は強制だけどね。

小川:消毒は?

マミ:いたるところに置いてあるよ。うちは今0歳児クラスの担任なんだけど、ひとりの子のオムツを替えたら、その度に消毒してるし。だからすごい手が荒れる。

小川:0歳児クラスってただでさえ気を付けることが多そうだよね。

マミ:特に今年は3ヶ月とかの子が入ってきたから大変(笑)。保育園は、空いてれば生後57日から入れちゃうから。それくらいだとまだ首もすわってないよね。月齢低い子たちが入ってくると、まだ外に出てお散歩とかできないからずっと部屋にいる。

小川:呼吸確認とかもこまめにしないといけないんだよね。

マミ:うん、5分ごとにやってるよ。午睡チェックって言って、5分置きに呼吸の確認と、どの向きに寝てるかと、誰が見たかを記入してる。連絡帳とかも書きながらだから結構大変。寝る向きは基本的にうつ伏せにならないようにするかな。

ー「こんな激しいとは思わなかった」
 職場と家で子どもをみながら

小川:マミは今仕事でも家でもずっと子どもをみてるんだよね。職場での保育と、家での子育ては違う?

マミ:扱いは全然違う。やっぱり自分の子の方がちょっと雑だよね(笑)。怒鳴っちゃうときもあるし。保育園では怒鳴らないけど。

小川:ケンちゃんの子育てでは何が大変?

マミ:この人はね……なんだろう……全部大変過ぎて(笑)。超わがままだからさ。お菓子売り場で買ってもらえないとギャーギャー泣くタイプ。

小川:泣いた時はどうしてるの?

マミ:とりあえずベビーカー乗っけて連れてくよね。

小川:ベビーカーはまだ乗れるんだ。

マミ:近場だったらもう乗らないけど、遠出するときは乗るね。まだ1日フルで外に出たりすると寝ちゃうし。寝られたらずっと抱っこできないから、ディズニーランドとかは絶対ベビーカー持って行く。

小川:ケンちゃんが生まれたばっかりのときはわからないことがいっぱいあったと思うけど、そういうときはどうしてたの?

マミ:ママに聞いてたね。あとは病院でも教えてはくれる。短大でも保育の勉強はしてたけど、新生児はあんまりわかってなかったし。でも授業でも沐浴とかやってたから、全く何もわからないわけではないし、普通の人よりはヤバイってならなかったのかな。

小川:思ってた子育てと実際の子育ては違った?

マミ:うーん……違うね。こんな激しいとは思わなかった(笑)。すぐどっか行っちゃうし。こっちが見えなくても怖くないんだろうね。ひとりでパーって行っちゃう。

ケンちゃん:おしっこー(席を立って)。

マミ:はいはい(トイレに連れて行く)。

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ー「限界の3人まで産みたい」
 大変だけど、子どもが好き

(トイレ休憩挟んで、ケーキを食べながら)

小川:そういえば、私も保育士資格取ったんだよね。

マミ:取ったの!試験受けて?

小川:うん、教科多くてびっくりした。保育の歴史に出てくる人の名前とかすごい覚えたよ(笑)。

マミ:人の名前?!そんなの覚えてないよ(笑)。

小川:短大通って資格取る場合は、どういうことを学ぶの?

マミ:もうあんま覚えてないけど……あ、でも障害児保育の授業とかもあったかな。(発達障害)グレーゾーンのこととか。ケンちゃんもちょっと怪しいんだよね。言葉の喋り出しも遅かったし、今も何て言ってるかわからないことが多くて。

小川:それはしばらく様子見なのかな。

マミ:うん、ちゃんと調べるってなると大変らしい。入院して、寝ている間に脳波を見たり。この子は身長と体重も一時期標準よりマイナスになっちゃってたから検査しようかって話になってたんだけど、今年に入ってちょっと伸びてたから、今は3〜4ヶ月置きに日赤行って様子見てる。

小川:子育てしてると、そうやって心配なことや大変なことがたくさんあると思うけど……率直に、子どもは好き?

マミ好きだね。ケンちゃん産んだときにも思ったけど、特に生まれたての新生児が好き。ずっと生まれたてを見てたいくらい、とにかくかわいい。ケンちゃんのときもずっと抱っこしてたよ。

小川:ケンちゃんが生まれた瞬間はどんな感じだった?

マミ:うち帝王切開だったから。体が小さくて。帝王切開だと生まれた直後にチラッと見るだけで抱っこできないし、そのまま麻酔で寝ちゃったんだよね。起きても体が痛過ぎてまた寝て。だから産んだのは午後3時くらいだったけど、ちゃんと抱っこして写真撮れたのは次の日の朝10時だった。

小川:やっぱり帝王切開って術後かなり痛むんだね。

マミ:痛かったね。後遺症はなかったけど、跡は残るし。次産むときにも帝王切開になるみたい。産める限界は2人か3人だって。

小川:子どもはまだ産みたいの?

マミ:うん、女の子欲しいから。欲を言えば限界の3人まで産みたい

小川:すごい(笑)。本当に好きなんだね。

マミ:でも年齢は離したいかな。これが3人いたら大変すぎるから(笑)。

ーコロナ禍でキャバを辞めて
 経済状況の変化

小川:マミの家も、お母さんひとりで子育てしてたよね。

マミ:それを見てたから、あんまり大変って思いがないのかも。

小川:自分も子どもを育てるようになって、改めて気づいたことはあった?

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