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【連載第13回 みんなの公園】危うし、公園

長野市青木島遊園地の廃止問題

 12月12日に「Merkmal(メルクマール)」(メディア・ヴァーグ)で配信された“長野「公園廃止問題」を炎上させる感情的な人たち 「老人クレーマーvs子育て世代」という単純な図式を捨て、まずは公園の歴史を学べ”は、長野市で起きた公園廃止について、公園がたどってきた歴史を解きほぐしながら解説した。

 今回、問題になったのは長野市の青木島遊園地だが、この問題は単に地域住民一人の苦情で公園が廃止されたという単純な問題ではない。報道では公園廃止が地域住民一人の苦情によるものとされているが、仮に報道が事実だったとして、それで市が簡単に公園廃止を決定するわけがないからだ。

 詳しくはリンク先の記事を読んでいただくとして、記事配信元の「Merkmal」は交通をテーマにしたニュースサイトということもあり、記事は公園という曖昧なオープンスペースを論じるにあたり交通(道路)に寄せた内容になっている。

 そのため、現在の公園を取り巻く環境で書ききれなかった部分もある。それが、公園の民間委託化という傾向。もっと正確に言えば、指定管理者制度に関する点だ。

 指定管理者制度の説明に入る前に、その前提も押さえておかなければ話にならない。そのため、多少の回り道になるが、公園に指定管理者制度が導入されるまでの経緯についても触れておきたい。

公園を民営化した萌芽「公開空地」

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