2022/03/12 命のカウントダウン。

数日前、同居している母が珍しくスマホ(大のスマホ嫌い)で通話をしていた。
相手は遠くに住んでいる叔母からだと聞き耳を立てて知った。

叔父の命は持ってあと数週間、3月中には……という内容だった。

母は泣いていた。
その姿を見たのは小学生以来だろうか。
祖母の亡くなった時だ(これはまた別の機会に書きたいと思う)。

叔母曰くコロナで面会もままならないらしく、一日に15分が限界で、次に病院から連絡がある時は訃報だと思ってください、と。

母と年子の叔父はまだ若い。
2年前に胃がんを患い、全摘手術をして、仕事を頑張っていたのに。

今日、父の通院の帰りに買い物をしてきた母が、たくさんの買い物袋を持って帰ってきた。

「これは何の紙袋?」ひとつだけわからない紙袋があったので尋ねると、母は

「フォーマルシューズ、もう傷んでてさ」

と、サラリと答えた。
母の覚悟を垣間見た瞬間だった。

命のカウントダウンは、残酷だ。
でも、日々は続いていく。残されるものは精一杯生きるしかない。

母のスマホが鳴りませんように。