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フルブライト奨学生になるまで②

みなさんこんにちは。
今日は前回に続き、私がフルブライト奨学金の応募に至るまでの経緯についてお伝えします。

フルブライト奨学金の種類

日本人が対象のなるのは、以下の5つです。

フルブライトHPより


それぞれ、応募条件や奨学金の給付額、期間などが異なります。
興味のある方は、こちらから確認してみてください。

ジャーナリストプログラムについて

ここでは私が応募したジャーナリストプログラムについて、お伝えします。
まず、応募条件は次の3つです。

1)a.またはb.のいずれかに該当する者。
a.日本の一般的報道機関(新聞社・雑誌社・通信社・テレビ局・ラジオ局)に5年以上勤続しているジャーナリスト。
b.上記に該当する報道機関に定期的に寄稿執筆・出演している経験5年以上の評論家。

2)米国で支障なく研究を行えるだけの十分な英語能力があること。
3)米国在住経験の少ない者を優先する。
フルブライトHPより

当時入社一年目だった私は、1)の条件を満たすために5年待つ必要がありました。満5年の勤務経験が必要なので、6年目に応募して、通った場合7年目に留学に行くことになります。
かなり長期戦になることを覚悟したのを覚えています。しかし、準備は早いに越したことはありません。
私の場合、早い段階で知ることができたので、
そもそもなんで留学に行きたいのか、留学で何を学びたいのか、そのために今日本でできることは何なのかなどをじっくりと考えることができました。
こうした時間は、奨学金の試験を突破するためだけでなく、「自分がどんな仕事をしたいのか、どんな人生を送りたいのか」というライフプランを考える上でもとても有意義でした。

研究テーマ選び

私は応募した際、「アメリカの企業と行政のサステナビリティ戦略」をテーマにしました。
これは、当初から想定していたものではなく、自分のキャリアを振り返った時に自然と決まったような感覚でした。

九州北部豪雨

環境に興味を持つきっかけとなったのは、
入社2年目の時に、福岡と佐賀を襲った九州北部豪雨です。

40人もの死者が出た大災害で、これを機に「ゲリラ豪雨」の怖さが世間に知れ渡ったと記憶しています。
私は足掛け一年被災地に住み込み、現地の取材を続けました。
「地球温暖化は北極の氷河でシロクマが困る話ではない。実際に、自分のすぐ目の前まで危険が迫っている」
という危機感を感じました。(実際、取材中にも死の危険を感じるようなことがありました)
これが私のサステナビリティに対する原体験だと思います。

アジア初のSDGSモデル都市

3年目で、北九州市に異動することになりました。
北九州市は福岡市に次ぐ第二の都市で、(九州第二の都市でもあります)派手な成人式や暴力団など、「修羅の国」と揶揄されることもあるほど、負のイメージが先行しています。
一方で、洋上風力発電をはじめ、脱炭素やサステナビリティに対する取り組みが進んでいて、OECDからアジア初のSDGsモデル都市に選ばれた先進地域でもあります。
私は、転勤を機に、こうした行政や企業のサステナビリティに関する先進的な取り組みの取材をスタートします。
元々、日本の産業革命を支えた官営八幡製鉄があった土地柄、優れた技術を持つ企業が多く、17の課題に対してユニークな取り組みを進めていて、取材にのめり込みました。

グロービスでMBA取得

警察担当から行政・経済担当に変わったのですが、業務内容も一転し、当初はとても苦労しました。
取材の基本は同じでしたが、知識0からのスタートだったため、専門的に一から学ぼうとグロービス経営大学院に入学しました。
2年間、ボーナスはほぼ学費で消えていきましたが、ビジネスの基本である人、もの、金の知識を身につけることができました。
また、SDGSやソーシャルベンチャーのクラス、データサイエンスのクラスなど、応用科目がとても充実していて、とても楽しい学びになりました。

サステナビリティをテーマに

これまでの取材経験と自分のスキルを掛け合わせて
最大限活かせるのがサステナビリティの領域でした。
日本は菅政権の脱炭素宣言を機に、サステナビリティに舵を切ったものの、まだ専門的に学べる環境は整っていません。一方、アメリカもトランプからバイデンに大統領が変わり、グリーンエコノミーに急速に転換を進めていました。また、調べてみると、アメリカの大学には既にサステナビリティに特化したコースや学部がありました。まさに現在進行形で変動していくアメリカに住み、その変化を肌で感じながら学びたいと強く思い、テーマを「米国企業と行政のサステナビリティ戦略」に決めました。

長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました!

次回は、フルブライトの試験対策と
最も苦労した留学先大学のアポイントについて
お伝えします。

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