トライアスリート最強説『運動脳』
あなたがトライアスリートなら、
運動が、脳だけでなく、自分にどれだけポジティブな影響を与えてくれるのか自覚があると思います。
その証拠に私の周りのトライアスリートは、
実年齢に比して、
・見た目(シェイプ)が若い
・思考や発想がポジティブ
・トレンドに敏感
な人が多いです。
そういう人がトライアスロンに興味を持つのか、
トライアスロンという定期的な運動がそういう人を育むのか主従はわかりませんが、
本書を読む必要がないくらい実体験としてわかりきったことでした。
そんな中で、書店に立ち寄ると本書が平積みされていました。
ベストセラーだし、わかりきったことを復習する意味で購入しました。
結論は、動きや負荷のバリエーションが豊富な有酸素運動であるトライアスロンは良いですね。
ポイント①:運動とストレスの関係性
まず、本書はトレーニングの3原理5原則を理解している人には、
理解が深まる部分が多いでしょう。
日常のストレスの原因は、コルチゾールという体内物質であることはよく知られています。
一方コルチゾールは、運動で身体に負荷を与えても出てくる物質でもあります。
しかし身体が、運動で出てきたコルチゾールの対処方法(慣れる?)を覚えることによって、
日常のストレスにうまく対処できるようになると書かれています。
これが、運動によってストレスに強くなると言われる所以です。
ランニングにあてはめると、
4分30秒/kmで長距離を走れる人が、
5分00秒/kmで走り続けたとしても余裕でこなせることと同じだと思います。
コルチゾールについても、過負荷の原理が働いています。
だからといって、どんどん追い込めばスーパーマンになれるという話ではないですが。
ポイント②:頻度が大切
脳にポジティブな影響を与えるには、運動の頻度が大切です。
量ではありません。
(頻度によって、勝手に量も増えますが)
「長時間1回」より「短時間数回」のほうが断然いい、と書かれています。
反復性の原則を理解していれば、納得するでしょう。
トライアスロンでも苦手な種目を克服する場合、
まずは頻度を上げることを推奨されることが多いです。
それによって、身体がその種目の動きを覚えやすくなり、
結果として反復練習になるため、レベルが上っていきます。
運動の頻度を上げることは、
前述したコルチゾールの処理の方法を身体に覚えさせるためです。
それによって、身体がその処理が重要だと認識してストレスに強くなります。
ポイント③:心拍数を上げる
本書でいう「運動」とは、心拍数を上げることです。
よって、ウォーキングではなく、ランニングやサイクリング、スイミングが推奨されています。
心拍数を上げる
↓
ホメオスタシスが働き、身体が平常心拍数に戻そうとする
↓
その際に、さまざまな体内物質が出てくる(コルチゾールなど)
↓
その体内物質の処理の仕方を覚えたり、良い影響を及ぼす物質もある
という回路なのかなと思います。
トライアスロンの継続した練習が、
知らず知らずにうちに脳にも良い影響を及ぼしているようです。
本書では、運動時の推奨心拍数を最大心拍数の70%~80%としていました。
しかし深いことは考えずに、種目や負荷を変えながらトレーニングしていくだけで、
わりと理想的な効果が得られると思います。
合理的だからといってできない
最後に、本書で運動が合理的なことはわかっても、
なかなか実行する人はいないと思います。
なぜなら、継続的な運動はハードルがやっぱり高いです。
(そうじゃないと、あんなにスポーツジムに行かなくなる人がいるわけありません。)
人間は、合理的に行動する生き物ではないので。
そう考えると、
好きでやっていることが結果的に他にも良い影響を与えることができるというのは、
わりと幸せなことだなと思いました。
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