メコン小川

メコン小川

最近の記事

高知の人との金銭トラブル

 田舎へ行きたいと思い立ち、高知へ行った。  なにもここで高知を田舎と言って馬鹿にしたいわけではない。  僕は田舎が好きだ。大好きな田舎に行きたくて、大自然や古い町並みを堪能できる魅力あふれる観光地として、まずもって高知が浮かんだ。いってみればそれだけのことである。  回りくどいエクスキューズもこれくらいにして、二泊三日の高知旅行で僕が遭遇した金銭トラブルとその思いもよらぬ結末について、ここに書き残したいと思った。  滞在二日目。夜のとばりも降りたころ、僕は高知の田舎道を走

    • 身体を売る

       端的に言えば、たった今、身体を売ってきた。二時間で五千円だった。  包み隠さず言えば、私はお金がない学生なので稼がないといけない。   有り体に言えば、私はこれまでも身体を売って、数万円以上稼いできた。  語弊を恐れずに言えば、ある大学で、そんなバイトを募集していた。  具体的に言えば、実験の被験者になるバイトに参加して、私は報酬を得ている。いわゆる「治験バイト」である。  たとえて言えば、今の私はモルモット。  仲間内のスラングで言えば、「ちょっと、今からモルモットになっ

      • メコン川で「川が足りんな」と言いたい

        河原に立つ。 水切りを極めた阿呆は、滔々と流れる川を眼前に、思わずこう独りごちたくなるものだ――川が足りんな。 水キラー(水切りをする者)は地元の川をホームグラウンドとし、水切り技術の向上に邁進しながら、様々な障壁や葛藤に腐心するものだ。そんな鍛錬のなかでも、最も気が高まる瞬間といえば、言わずもがな、自ら放った石が対岸に達し、カンッと小気味良い音を響かせるアノ瞬間である。 「言わずもがな」と、なんとも断定的な物言いをしたが、対岸到達者(専門用語で対岸の石=意思の声を聞くとい

      高知の人との金銭トラブル