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運のいい人間、悪い人間

どうやら運というものはある程度操作できるものらしい。いや、この表現はよくないな。言い直そう。大半の人間は運以前にチャンスを拾う用意ができていないらしい。

胡寅「読史管見」に人事を尽くして天命に聴(まか)すという記述がある。やれることをやりきったらあとは運にまかせよう、という意味だ。

似ている言葉にイギリスの著述家サミュエル・スマイルズが著した『SELF HELP』の冒頭に引用されている格言「Heaven helps those who help themselves.」というものがある。天は自ら助くる者を助く……運は自ら行動したものを助ける、という意味だ。

この2つのフレーズはどちらもやるべきことをきちんとやり切ろうという意図を伝えたい場面でよく使われる。

さて、やるべきことをきちんとやっている人間がどれだけいるだろうか。

「今日は朝から晩までカフェで仕事してました!」これは一見するとやることをきちんとやっているように見える。しかし本当にやることを全てやったといえるのだろうか。私から見るとまだまだやり切れていないように見える。

まずこの人はなぜカフェで仕事をしたのだろうか。私ならカフェで仕事なんてしない。セキュリティやコンプライアンスもそうだがここで言いたいのはそういうことではない。

私なら市役所や商工会議所、YahooのLODGEなどのオープンコラボレーションハブで作業する。なぜならカフェにチャンスは落ちていないからだ。オープンコラボレーションハブは様々な業種の人間が利用し、そこで仕事に繋がるケースがある。私が普段作業するあおスタ(あおもりスタートアップセンター)には毎日新規創業者や事業の相談者が来る。Webや広告関連の相談があればセンターのスタッフの計らいで私を紹介していただくこともある。

Twitterもそうだ。普段何気なくツイートするだけでなく熱心にタイムライン上のツイートにいいねを押し続ければ、通知から気になったユーザーが自分のプロフィールや固定ツイートを見てくれることだろう。

これは生活の全てに言えることで、情報の集まる場所、人の集まる場所に自ら足を運び続ければ、それだけでチャンスに巡り合う確率はぐんと上がる。

運がいいといわれる人たちは図ってか図らずかはわからないがこうしたチャンスの集まる場所に常日頃身を置いているのだ。


冒頭の話に戻ろう。大半の人間はチャンスを拾う用意ができてない。

名刺を常に持ち歩け。SNSを全て登録しろ。人が集まる場所に足を運べ。

常に臨戦態勢でいる。なぜそれだけのことができないのだ。橋本環奈とお付き合いしたいと思ったら橋本環奈の好きなものをリサーチするだろうし、彼女の親しい人間と仲良くなれるよう周りの人にコンタクトを取るのは当たり前だろう。部屋でゴロゴロ漫画読みながら「あーあ、橋本環奈と付き合いたいなー」なんて言ったところで何一つ進展しない。ずん飯尾じゃないんだからさ。

人事を尽くしたからといって運が味方してくれるとは限らない。しかしツイてないと文句を言っていいのは人事を尽くした者のみだ。

それでは。

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