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稲本昌之(いなちん)さんの小説「ぺしゃん」を読んでみた

テニスのyoutube動画を上げているいなちんこと稲本さんという方が小説を書いたそうだ。ちなみに個人的にこの人の動画はプレーヤーの心理とかわかってるなぁという印象で結構好き。

というわけで感想を書いてみよう。

この小説は教える側の気持ちを綴った小説。思ったよりずっと文章もしっかりしてて読みやすかったですね。

内容的にはコーチ側の心理を書いてるんですけど、個人的にはコーチの存在意義ってなんだろうと思うことも多いのですよね。

自分のような週一テニススクール通いにとってはあまりコーチとじっくり話す機会も無いし、自分はあんまりあーしろこーしろ、と言われるのも好きじゃない。だから基本のフォームとか動き方とかさえ教われば、あとは独学のほうがいいと思ってるんですよねぇ。そういうのもあって、真藤コーチのほうが好きかな。

結局のところ、テニスのフォームって自然に無理なく力を伝えられるような形の結果だし。だからこそ、もっと力を伝えるやり方を試行錯誤すれば自然にフォームが綺麗になると思っている。
打点を前にする、じゃなくて下半身の力を伝えられるようにする、そうすれば自然に打点が前になる、が正解じゃないのかな?と。

そんな感じに、自分はテニスの試行錯誤がめっちゃ楽しいのです。サーブとかも足を揃えるか、とか下からラケット引くか、とか自分にあったやり方を見つけていくのが楽しくて仕方ないんですよね。

で、本編ですが。
やっぱりジュニアだと親との関係って大事なんだろうなと。自分はガットなんかもこれ試してみようか、と自分の意志で選んでるけど、中学生なんかは親が来てコーチと相談してる場面を見かけるし。

自分とこみたいにチェーン店形式のテニススクールコーチとは違う葛藤みたいなものをすごく感じました。スクールはみんな揃って同じメニューだから、あまりコーチによる個性の差が出ないし。スクールコーチ側がその人にあった練習ができないことによる葛藤とか持ってるのか、そんなの自分には知らんけど。

あと、個人的にはハルトと渉のコミュニケーションがもっと欲しかった。結局コーチングってコミュニケーションが一番大事だと思ってるし。一緒にラーメンでも食べに行くとか、二人の会話がもっと見たかったな。

今日もコーチに突っ込んで聞いてみたらそもそもストロークに対する認識の違い、というかコーチの教えの解釈が間違っていることに気づいた。なんだよ、半年くらい遠回りしてしまったではないか。。。

全体的にテニスの知識がないと分かりづらいところも多々あるけど、教育に携わる人は読んでおくべき本だな、と思いました。

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