サルでもわかるNISAとかiDeCoの話
最近割とよく聞かれるし、周囲でまだやってない人が意外に多くいるので、少しでも参考になればと僕なりに調べて出した答えとその理由をご紹介します。
調べればどこにでも書いてあることで特段珍しいことは何も書いてありません。人によっては「今更?」みたいに思う方もいらっしゃるかもしれませんが、何事も始めるに遅すぎることはないので、まだの方は今からでも始めた方が良いと思います。
結論
NISAとiDeCoは資金を投入できる範囲でできるだけやった方が良いです。なぜならとてもお得だから。(お得な理由についてはおまけ(Q&A)1参照)
選択肢はたくさんあるのですが、NISAにしてもiDeCoにしてもS&P500か全世界インデックスのいずれかを選びましょう。
この2つのいずれかならどこの会社の商品だろうと割とどれでも良いです。後述する手数料率だけチェックしてください。(商品を選ぶ理由1参照)
参考までに僕が積み立てている商品をご紹介。
S&P500にするなら三菱UFJグループがやっているmattoco のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)。全世界にするならeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)ですね。
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
何をしたら良いのか
「商品はこれ!」と言われてもよくわからない方のために、やることを具体的に書き出してみます。簡単3ステップです。
1) 口座を開く
まず、積立NISAの口座とiDeCoの口座を開きます。どこでも良いですが、ネット証券が安くて良いと思います。上述のmattocoでももちろん良いです。証券会社の口座を持っていたとしても、いずれも専用口座が必要です、ネットから申し込みしましょう。
口座は開くのも維持するのも無料ですが、開設には意外に時間がかかります。まだ開いてない人は今すぐ申し込むくらいの方が良いです。積立投資は時間の長さで勝負するものなので、1日でも早く始めた方が勝ちです。
2) 引き落としの設定をする
口座を開いたら、上述のいずれかを毎月定額で銀行口座から引き落としにします。「毎月定額で銀行口座から引き落とし」というのがポイントです。(理由はおまけの2を参照)
金額は余裕があれば上限いっぱいいっぱいまで設定しましょう。なぜならとてもお得だから。
3)積み立てている事を忘れる
積立の運用実績が1番良い人は死んだ人、2番目に良い人は積み立てていることを忘れてる人、という統計があるくらいです。眺めてると色々したくなりますが、我慢して放置です。死ぬわけにはいかないので忘れましょう。
この商品を選ぶ理由
ここでは、なぜS&P500や全世界インデックスを勧めるのかを説明します。僕は投資商品を売る人ではないのでポジショントークなしです、安心して読んでくださいね。
1)手数料が安い
投資信託は預けているお金の総額に対して手数料が発生します。手数料が2%で100万円預けていたら年間2万円の手数料がかかるということです。
そして、S&P500や全世界インデックスはその手数料がめちゃくちゃ安いのです。例えば上で紹介したmattocoのeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の場合、税込みで0.17%です。
運用利回りが高くても手数料が高いと運用益は低くなってしまうので、手数料が安いのは大切です。
2)安定している
インデックスというのは、ものすごーく簡単に言うと、「たくさんの会社の株価を平均した指標」です(ほんとはもう少しややこしいですが、概念的にはそんな感じ)。誰もが耳にしたことがある日経平均やTOPIXもインデックスの一つです。
たくさんの会社の平均なので、「株を買った会社が倒産して紙切れになった!」ということが発生しません。安心。
1の手数料が安い理由も、インデックスはあくまで指標でしかないためで、世界中の市場の売り買いで自動的に数字が決まります。逆に手数料が高い商品の多くはアクティブファンドと呼ばれる、誰か賢い人が一生懸命考えて運用している商品で、高いのは賢い人に払う手間賃が発生するからです。
3)市場が成長し続けている
S&P500も全世界株式も、長い目で見るとずっと成長し続けています。それは世界の経済が成長し続けているからです。さらに、業績の悪化が著しい企業は外され、代わりに業績の良い企業が組み入れられます。
そのため、S&P500の平均運用利回りは7%くらいあり、長く持ち続ければ複利でどんどん増えていきます。
参考までに、年利7%で元金だけを30年間ほったらかしにした場合、
1.07の30乗=7.6... で元金の約7.6倍になります。
もう少し具体的に計算してみましょう。
平均利回りを控えめに5%、月々3万円(年間36万円)で20年間積み立てた場合の金額は1,190万円になります。
元本は36×20=720万円なので1.6倍です。
30年間だと2,390万円、元本1,100万円の倍以上です。
もちろん、リーマンショックやコロナショックなどで短期的にガクンと落ち込むことはありますが、時間が経てば回復します。ガクンと落ちたときに含み損を見ると泣きたくなるので、こういうときのためにも積み立てていることを忘れることが肝心です。
ただしTOPIXや日経平均については、日本経済は長い目で見るとあまり展望がよろしくないのでおすすめしません。
おまけ(Q&A)
ここではかつて僕が疑問に持ったことを簡単に解説します。
1)そもそも、NISAとかiDeCoって何?
NISAは、政府が「お前ら貯金ばっかしじゃなくて投資運用もしろよ」と始めた、投資運用をとてもお得にできる制度です。しかも政府のお墨付きの商品のみという安心設計。
普通は投資の運用益(儲かった金額)は一律20%課税されますが、NISAで得た運用益については全額非課税になります。運用益が100万円だったら20万円得するということですね。すごい!
ただし上限があって、年間40万円までしか新規に積立できません。なんで12の倍数にしなかったのかは不明です。バカなのかな。
iDeCoは個人で運用する年金です。年金なので、60歳までおろすことができません。手持ち資金が不足して老後がどうこう言ってられなくなると悲惨ですね。
会社によって企業年金と併せて色々やってくれるところもあるので、上限額は人によって異なります。これを調べるのが(自分でよくわかってない人には)結構めんどくさい。でもここに書くことでもないのでそこは頑張って調べてください。
メリットは、NISA同様に運用益が非課税なことに加えて、積立分は所得からも控除してもらえる=その分の収入に対する所得税と住民税は払わなくて良い、ということです。
例えば年収500万円の人の場合所得税は20%、住民税は10%です。
この人がiDeCoで年間20万円積み立てた場合を計算すると、
20万円×30%=6万円
が毎年節税されることになります。お得!
2)「定額で銀行口座から引き落とし」がポイントなのはなぜ?
一見、値段が下がってるときにたくさん買って、上がってるときには買わない方がお得な感じがしますよね。でも、「今が買い時」「今は控え時」というのは誰にもわかりません。底値だと思ったらさらに下落したりしますからね。
毎月定額で購入するようにすると、安いときにはたくさん購入し、高いときは少なく購入するように自動的になります。この方法を「ドルコスト平均法」と言います。
ドルコスト平均法は単純ではありますがバカにしたものではなく、ほとんどのプロの投資家よりも良い運用成績を出すことができる魔法の技です。欲をかかず、おとなしく定額引き落としにしましょう。
3)S&P500と世界株式、一つだけ選ぶならどっち?
好みです。
よく言われるのは「S&P500は米国株式市場に依存しているので、米国市場が死んだらアウト」です。ただ、米国株式が死ぬということは全世界株式も死ぬということとほぼ同義なので、あまり差はありません。
そしてその割には成長率はS&P500の方が高いので、多くの人はS&P500で運用しています。
とはいえ、何がしかの今は想像することもできないような理由(=ブラックスワンってやつ)でアメリカ市場がこの世からなくなるかもしれないので、それが心配な方は全世界株式の方がちょっとだけ安心かもしれません。
4)元本保証じゃないの?
違います。
なので短期的にはちょいちょい元本割れしますし、中期的にもものすごく運が悪いと元本割れします。
ただ長期的、長い目で見ればまず大丈夫。銀行預金はインフレに弱いので元本割れを恐れて全く投資をしない方がハイリスクです。とはいえ多少は手元資金として持っておく必要はありますので、上手くバランスをとりましょう。
また、少子化が進み日本の国力が今よりさらに下がって円安になることを考えると、外貨を持っておくという意味でも海外インデックスに投資をするのは絶対に必要でしょう。
5)S&P500とかは上限以上は買えないの?
NISAやiDeCoで運用できないだけで、買うことはできます。
運用益(儲かった分)の20%の税金はかかってしまいますが、逆に言えばたくさん税金を払うときはたくさん運用益が出たときなので、やらないより良いと思います。
6)他の商品でおすすめはないの?
僕はよくわかりません!
とりあえずNISAとiDeCoにS&P500か全世界株式を上限いっぱい突っ込んだら、あとは好きにしたら良いと思います。
僕は他に趣味でmattocoのeMAXIS Neoシリーズから宇宙開発と自動運転を、あとウェルスナビというロボアドバイザーにも少しずつ積み立てています。ウェルスナビは招待コードがあるので、興味ある人は声をかけてください。これはこれで面白い商品だと思います。
以上、他に何かあればまた追記します。
ということで、まだやってない人はとりあえず始めちゃいましょう!
レッツ投資!