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秋(歌)

現代詩文庫の『丸山薫詩集』(思潮社、1989)の文章の1つ「某日 来客」(123~125ページ)。リルケの詩「秋」の茅野蕭々訳が引用されている。茅野蕭々訳『リルケ詩抄』(岩波文庫、2008。417~418ページの「編集付記」によると、底本は1927年の『リルケ詩抄』)の詩「秋」(157ページ)と、いくつかのところが違う。丸山薫が引用している詩の、たとえば「すべて」と「すべて」が、岩波文庫では「すべて」と「総べて」である。同じ翻訳の人の同じ詩を、違う本から引用したのだろう――ここまでは昨日、書いた。今日は続きを。丸山薰編『世界の名詩』(集英社、1965)に、リルケの詩「秋」(252ページ)は、高安国世訳。岩波文庫の高安国世訳『リルケ詩集』(2010。308ページの「編集付記」によると、底本は1970年代の2冊の『リルケ詩集』)の「秋」(52ページ)と、ほとんど同じであるけれど、少し違って、集英社の本では「穏か」であるところが岩波文庫では「おだやか」

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