見出し画像

日本式には、お作法があるのです

龍神靈氣読本は、毎週月曜更新します。
梅雨寒、という言葉がありますが、今日の京都はまさにそんな陽気。
お昼の、グツグツ煮たおうどんが美味しかったです。

あまり知られていないようですが、日本式と西洋式の靈氣には、大きな違いがあります。
現在臼井靈氣には「五戒」と呼ばれるマントラ(呪文のようなもの)があり、世界共通です。
言霊を使うため、現地語訳されません。
まったく日本語を話せない海外勢も、五戒だけは日本語で覚え唱えねばなりません。
昔欧州系の古参組織である学校の研修にアシスタントについたことがあります。
そこでは日系の先生が歌にして教えていました。
しかし、厳密にいうと、それは日本式の臼井靈氣ではありません。

人体は楽器のような構造をしており、声は音色にあたります。
臼井靈氣は大正時代ですので漢字は旧字体。
旧字体の「聲」は、現代かなの「声」とは意味が違います。
聲には「伝わる音」という意味がありますが、現代かなの声にその意味はありません。
つまり、五戒は伝わる音で唱えねばならないのです。
また、日本の唄には音階はありません。
のちに音階ができますが、それは楽器の音階で歌の音階は独特のものありました。
そのひとつが「謡譜」とされるもの、これには音符はありません。
和楽器も楽譜が音符ではないものがあります。
鼓の譜や、和太鼓の譜、大正琴などは、そうですね。
音の高さはありますが、それを奏でる楽器=人に合わせるのが臼井靈氣。
金管でいうところのキーが人それぞれありますから、そのキーに見あった現実がそのマントラで現れてくることになります。
経験から言うとオクターブが広がり、地声は高くなるように思います。

他にもいくつもの技法や精神論がありますが、いまやこれらはまったく踏襲されていません。
うちにくる多くの生徒さんは、前の学校でかなり高いクラスまで学びながら「知らなかった!」と目を丸くします。
その度になんて勿体無い、と思うのです。

京都の鞍馬山には、臼井靈氣術者を名乗る方々が作ったオリジナルの参拝法があると聞きます。
どうされたのか、鞍馬山で伝授を受けた、という方にもこちらにきてお目にかかりました。
でも、臼井靈氣は本来そういうものではないのです。

悟りを得るために鞍馬山に籠もった臼井甕男氏。
なぜ悟りを得る必要があったのか、それを知る人は、いまどれくらい居るのでしょうね。
なぜ西陣織拝み屋がお稽古制を推奨するか、それは日本式靈氣を伝承しているからです。
取得後、お稽古にまったくいらっしゃらない方もいます。
取得段階が初伝であれば、さほど問題はないですが、奥伝から先になると、もう日本式として使うことは難しいと思っています。
そのため、初伝のテキストに西洋式の使い方もご案内させて頂くようにしています。
使わない方が勿体無いからです。

ごくたまに「免許皆伝を出せ。出るとこ出るぞ」と慟哭する方がいらっしゃいますが。
どうぞ、と、応えるようにしています。
氣は力です、使い方を謝れば社会を壊し、御身を滅ぼします。
どれだけ脅されようが、できないものはできない。
滅多にないことですが、講義室という密室内でのこと。
万が一に備えて護身術や武術を嗜むようになりました。
昔の臼井靈氣は道場に通い学びました。
江戸時代の箱根関所は師範殺しは死罪の重罪だったものです。
「いつの時代の話をしてやがんだよ、早く免許皆伝出せ!できるようにしろよ!」
令和になり、そんな方に当たると思います。

この人に、日本式の靈氣は無理だな、と。

そんなときは、ご紹介した方ごと、お引き取り頂くことにしておりますので、悪しからず。
臼井靈氣は、伝統文化であるべきだと思っています。
それを受け継ぐには、やはりそれ相応のお作法がないと、ね。

もう二度と、誰かの好きには変えさせない。
わたしは、わたしの観てきた臼井甕男氏の想いを受け継ぎ、後世に伝えていきたい。
それの想いのたけを日々龍神靈氣に込めています。


この記事が参加している募集

#習慣にしていること

130,825件

日本に数えるほどしかいない故人の通訳。イタコでも口寄せでもなく三者面談風にお筆書きという自動書記を使い故人と遺された人をつなぎ明日を照らす活動をしています。サポートくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします。