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タイ飲食紀・四日目・後編 ナマコメコメンの確信

タイで飲み食べしたものをひたすら綴る記録。初日・四日目前編はこちら。

印象深いことがあった一日の後半、タイ人社員旅行御一行の宴会に飛び入り参加させていただいた夜!

本日のお品書き
〇タイ産ブランデー:REGENCY
〇チャーハン
〇ヤム・ルアムミット(シーフードサラダ)
〇小イカの炒め物
〇小イカのイカスミ鍋
〇ミニホタテの野菜ソースがけ
〇パッシーユー(焼きうどん)


宴会場は海を間近に臨むロケーション。女性が多い席に座らせてもらいました。
「お酒飲める?」と注いでくれたのが、タイ産のブランデー、RENGENCY! これを大量に持ち込んでいるみたい。タイにブランデーのイメージなんてないけれど、甘く香り高く飲みやすく、アルコールが添加されている感じもなく、変な酔い方もしない。水割りにしてしまえば、辛い料理、癖のある料理のあとの舌も優しく包み込んでくれる。最高。

後ろにいるのがヤクザお父さん。

大人数な上、ネイティブのセンスで頼んでもらえるから、自分だと挑戦できないご飯を少しずつ試せる最高の機会! ただ、私たちを含めて30人くらい客がいたのに、料理人が一人だったようで、来るのは遅かったです。まあ酒飲みの客なら問題ないよね。

ずっともっと奥まで続いてます。

まずは定番のチャーハン。そして、イカ・エビと春雨のスパイシーサラダ、ヤム・ルアムミット。シンプルに甘辛く味付けられた小イカの炒めもの。これまで食べていたイカ炒め物とは違う楽しさがあります。

それぞれ異なる風味の、最高の盛り合わせ。

そして、同じく小イカのイカスミ鍋。これ、調べても料理名が出てきません。写真がわかりにくいけど、薄墨色のスープに小イカがたくさん浮かんでます。多分ほかの具材はなし。香草やスパイスの風味どころか、ほかの具もほとんどありません。穏やかな塩味とイカのうまみたっぷりのスープが滋味深く、いくらでも飲める……。小イカはホタルイカだったのかしら。

後ろに控えているのがREGENCY。

それから、ミニホタテ(ツキヒガイ?)の野菜ソースがけ、これはすこししょっぱかったけど、酒には合う! ソースの印象しかなくて、貝自体の味を覚えていないのが残念。

今みるとこのソースの野菜、チャーハンと併用してそうだな。

「まだ食べたりないんじゃない?」と注文してくれたのは、具沢山の焼きそばらしきもの。「パッタイ?」と聞くと、「うんパッタイだよね、でも正確には〜〜かな」、という聞き取れない発言が。今までに食べたことのないほどモチモチぷるぷるの麺。そこに絡みつく、濃く深く少し甘い醤油味。シーフードの旨みの応援。ちなみに、全く辛くありません。味も食感も、今まで食べたことのあるパッタイを圧倒してきました。生米粉麺……ナマコメコメンとの本気と、ここで出会ったわけです。

ナマコメコメンの、もちもちの、てろてろの、プルプル感が伝わりますか……。

タイの米粉麺は、太さによって色々名前が違います。もちろん太いほうがもちもち度が高いものの、重要なのは「生」であること。だが、乾燥を経ない生米粉麺は、日本へ輸入されません! 乾麺なら日本でも手に入りますが、これを生麺と同じ食感に戻すことは(多分)できません! ナマコメコメンの貴重さに気づいたのは帰国後、もっと早くこの食感の尊さを知っていれば、貪るように食べたものを……。自分で乾麺を戻して炒めてみたけれど、ナマコメコメンとは味の絡み方、舌の上での展開の仕方が違うんです。
後日他のレストランのメニューを熟読してつきとめた料理名は、パッシーユー。パッ=炒め、シーユー=醤油、つまるところ「醤油炒め」というネーミングのこの料理は、センヤイと呼ばれる太麺と、タイの濃口醤油・シーユーダムを使うことが特徴。ちなみにシーユーダムとは、タイのお醤油(シーユーカオ)に糖蜜を混ぜたものらしく、コク深くなるのも納得です。

揚げ物とかムール貝とか、他にも色々食べた気がするんだけど、話してたから写真撮ってない!
話題は主に、日本のアニメや音楽の話。みんな、ドラえもんと一休さんを見てから登校していたとのことで、「すきすきすきすきすきっすき〜」を合唱してくれる。ヤクザお父さんは日本のコアなアニメやバンドが好きらしく、聞いても私はほとんど知りませんでした。こんなに日本の文化を知ってくれていて、愛してくれて、本当にありがたいし、それが私達の通行手形になっているんだな。
ちなみに友人は、母国に家族を残してタイに働きに来ているという中国人と盛り上がっていました。彼とタイ人メンバーが、「来来来来!」と煽り合いながら、中国式に杯を干しまくっているところをみんなで呆れたり笑ったり。
あと、プールに居るときから、野性爆弾のくっきーに似た男性がいることが気になっていたので、「日本のコメディアンに似てるね」と友人が写真を見せると、「実際彼は職場のコメディアンなんだ!」と、本人も周囲も爆笑してくれました。温かい。

終盤、喫煙者のグループに煙草を勧められ、タイ産煙草に興味があったのでついていってみます。頂いたのはベトナム産、正直あんまり印象に残っていないんだけど、検索してみたら「ベトナムのわかば」って呼ばれてるやつだった。
想定通りウィードも勧められ、そちらは断ります。タイは去年6月から大麻が合法化し、都市部だけでなく島にも多くのウィードショップが。「煙草みたいに、大麻を楽しむのももう普通のこと?」と訊ねてみると、若干歯切れ悪く、「去年の6月から合法になったからね」との返事。合法化前の状況も気になるところです。

さて、すでに書いた通り、サメットの夜にファイヤーショーはつきもの。島の中では僻地のこのエリアにも、しっかり火男たちはやってきます。「これってサメットでしか見られないの?」と聞くと肯定されたけど、果たして……。
この頃には、シャイだった女性陣ともセルフィーに誘いあえるくらい親しくなりました。同性だけのコミュニケーションのときは結構喋るのに、男性がいる前ではすごく控えめに見えるのが印象的。彼女たちとはインスタを交換! 

爆発ではなく、ファイヤーショーです。

宴もたけなわ、皆さんはこれからさらにバイクを飛ばしてクラブへ繰り出すとのことですが、私たちはここで帰路につくことに。絶対に歩いて帰れる距離なので、「歩くよ! 日本人は歩くのが好きなの!(タイ人に比べれば!)」と何度も言ったのですが、結局ヤクザお父さんがホテルまで送ってくれました。

月並みですが、言葉の壁を越えてこんなにもフレンドリーに楽しませてもらえることがあるのかと、友人と二人、ホテルのバルコニーでビールを飲みながらしみじみと感じ入りました。

バルコニーで飲んでたら、クラブから戻った彼らにまだ起きてるのバレてちょっと気まずかった。


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