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【毎日投稿】「塊魂はeスポ―ツですか?」と聞かれて困ったという話【3分記事】

こんにちは。私はいろんなメディアの現場で仕事をしているので、日頃から様々な業界のクライアントに質問(雑談として)をぶつけることがあります。

先日、印象的だったのが、eスポーツとは全く関係ない業界のクライアントにゲーム好きの方(Aさん)が居たので。「ところでAさんって、eスポーツって興味ありますか?」という質問をしてみました。するとAさんは「塊魂ってeスポーツですか?塊魂が最も好きなゲームなんです。勝負したら誰にも負けないと思います」と回答してくれました。

正直、塊魂って何年前のゲームだよ!と思いましたが、どうやらPS4やニンテンドースイッチでもリメイクされているようで、普通に今でも親しまれているゲームでした。失礼しました。

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私はそのAさんの質問に対して即答することが出来ませんでした。「eスポーツってなんだっけ?」とeスポーツ業界で働いている身にも関わらず、恥ずかしながら脳内で定義を考えて直してしまいました。

この出来事は今でも痛烈に脳裏に焼き付いていて、ことあるごとに思い起こされます。もしその場にeスポーツ業界の利害関係者がいたら、彼は堂々と「はい!塊魂もeスポーツです!」と即答するでしょう。しかし、私には出来ませんでした。それは、「塊魂がeスポーツです」と言い切るのはあまりも無責任で、実態とズレており、欺瞞に満ちているからです。残念ながら現状、塊魂はeスポーツとして扱われていません。いつものように、eスポーツ業界の胡散臭い大人達は「ゲームは全部eスポーツだ」と裾野を最大化するためにテキトーなことを言うかもしれませんが、その時の私には軽々しくそのような発言をすることはできませんでした。

何故かというと、Aさんはかなりのゲーム好きであるにも関わらず、全くeスポーツのコミュニティとは断絶されているからです。『リーグ・オブ・レジェンド』『R6S』『APEX』『PUBG』どれも聞いたころすらないと言います。Aさんのように、何時間もプレイするほどゲーム好きであること、競技としてゲームを極める熱量、これらがどんなに高水準であったとしても、今のeスポーツの体制では、Aさんはその楽しみを享受することはできていないのです。

これは私が1年以上前に書いたnoteにもある通り、ゲーム好きとeスポーツ好きの分断です。きっと”eスポーツ”って括りとしては”ドリンク”みたいなものなんだと思います。”ドリンク”にはいろんな飲み物があります。コーラ、オレンジジュース、ジンジャエール、ビール、ワイン、ウィスキー、日本酒、タピオカ。「いま世間で”eスポーツ”が流行っている!」という論調は、ただ単にタピオカが流行ってるだけなのに「いま世間で”ドリンク”が流行っている!」って言われているようなものなんだと思います。それはコーラ好きやビール好きの方からすると違和感があるでしょう。蚊帳の外です。

eスポーツってやっぱり所詮は、ユーザーのためにある言葉じゃなくて、売る側の方便なんだなと感じた瞬間でした。

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