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巷説シリーズが終わってしまったー。

みんな大好き中禅寺秋彦が活躍する『百鬼夜行』シリーズが、不思議で妖怪の仕業かもしれない事件を、「この世には、不思議なことなんて何もないのだよ」と言いながら、人がやってることだと明かしていく話で、『巷説』シリーズは、人がやったことをそのまま明かすと不都合があるから、「御行奉為」と唱えながら妖怪の仕業に仕立てていくという話です。
どっちも妖怪は、いません。

終わらないと思ってた。

「まあーー千代田のお城にもう一匹、でけェ鼠が巣喰っていやがるようだから」
そっちも始末をつけなくちゃアなと、言ってーー。
又市はーーりんと鈴を振った。

『続巷説百物語』

って言ったの、平成13年だもん。
そこから続編が出ても、違う話が続いてたから、100話書くのかなって思ってた。
45話だった。(数えた)

ぼくが安心して乗れる厚さ。

主人公の又市、作者不明の『四谷雑談集』に詐欺師としてふわっと出てくるだけだった又市、お前、こんなことになると思ってたか?
ということで、京極夏彦の江戸怪談シリーズというものがありまして、こっちにも又市は出ています。出てるっていうか、元々そっちの人っていうか。

『嗤う伊右衛門』、『覗き小平次』は、ちょっと話が出たな、くらいですが、『数えずの井戸』は前半どっぷりいます。
読んでなくても大丈夫だとは思うけど、私が好きなので、ぜひ読んでください。
最後、泣くよ。
伊右衛門と井戸は恋愛小説だと思ってる。ちょっと血生臭いだけで。
小平次はドラえもん。

後半は『百鬼夜行』の京極堂のひいおじいちゃんが出てきます。

「私の父州斎は、いいえ、私の先祖はそうした迷信的旧弊の需要に応えていたに過ぎません。何某か志があった訳でも大義名分があった訳でもないのです」

『書楼弔堂 破曉』

『書楼弔堂 破曉』に出てくる中禅寺輔のお父さんでもあります。
ほぼ京極堂です。

表紙裏が好きで、ハードカバー派だよ。

そういえば、今回、歌川國芳の「源頼光公館土蜘蛛作妖怪
圖」が出てるんですけど、『書楼弔堂 炎昼』でもやっていて、龍典さん(弔堂の主人公)がチラついてました。

京極夏彦の特盛なんですよ。

もちろん、『巷説』の今までの話も出てきます。
あれとそれが繋がっていた!みたいなことをやってます。
懐かしかったり、嬉しかったり。

その結果、事触れの治平が命を落としたのだと百介は聞いている。

『続巷説百物語』

2巻でネタバレをされているので、覚悟して読んでいたのですが、号泣しました。
予想と違った。
「こいつらにやられるのかな…」っていう集団が出てきて、そいつらにやられたんだけど、違った。
悲しい。
『前巷説百物語』の山崎のときも悲しかったんだぁ。

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