【毎週月曜日更新】売ること、買うこと、商いについて。考えていること。


お店をして、お客さんとして来てくれたひとと

話したりするたびに、売ることと買うことについて考える。

世に送りだしたいもの、紹介したいものを見つけて、

もしくは自分たちでつくって、「お店」と名乗って売ること。

そこにお客さんがわざわざ、もしくは偶然とおりかかって

見つけて気に入ってくれたモノを、お金と交換すること。

これが「商い」の基本的な流れだと思うんですが

そのなかで、いちばん大切にしたいのが

「見つけてから、気に入るまで」のところ。


どんなお店をしたいんですか?と聞かれたときに

必ずいうようにしてるのが「ていねいに売りたいんです。」

ていねいに売ること。それはディスプレイをどうするかとか

きれいに並んでいるかとか、ホスピタリティとかむずかしいことばも

いろんなことがかかわってくる話なんですが

Of the Shopにとっての「ていねいさ」とは

「どれだけお客さんと適切なコミュニケーションをとれたか」なんです。

どんなモノなのか、ブランドなのかを知ってるひと、知らないひと。

どんな身に着けかたをすればいいのか知ってる人、知らないひと。

もっと言えばそれを自分で考えたいのか、教えてほしいのか

それとも、いっしょに考えたいのか。


Of the Shopというお店は、いつも未完成になるように、お店をつくります。

ポップはつけないし、ブランドごとに並べないし、値札をつけてないときもある。

お客さんとのコミュニケーションがあって、はじめて完成するように

そういう「余白」を用意します。


お客さんが見つけたモノ、もしくは紹介したモノ。

コミュニケーションを通してそれに愛着をもって、

それにしかない価値に気づいてもらって、

納得して気持ちよくお金を払ってもらえることが、

お店としていちばんうれしいことです。


「お金を払う」という行為は、本来は、すごく快楽を感じることなんだと思います。

「こんなにいいモノ買ってしまったぜ」って自慢に思ったりとか。

親しい人にご馳走したときに、なぜか自分もうれしいような、あのときの気持ちとか。


「気持ちよくお金を払う」までの流れをつくったり、生み出すことが

作り手とお客さんのあいだに立つ、お店の役割なんだと思います。

そんな商いができているか、まだ胸を張れるほどの自信はないですが

商いは、すごくたのしいなあ、といつも思う。

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