英語力/コミュ力/日本語力

カタカナの「カ」じゃなくて「ちから」です。
音読みしていただいて「りょく」です。

突然ですが、英語で「罰金」てなんていうかご存知ですか?

fine

です。I’m fine と同じfineです。発音も全く同じです。罰金なんて全然fine(大丈夫)じゃないですけどね。

会話の中で「罰金」という単語を話したい時に、fineという単語を知らないと、話せません。
これを知っている力を「英語力」と言います。

では、「罰金」て、なんだろう?
と考えます。
広辞苑では「罰として出させる金銭。制裁として出させる金銭
とあります。ここまではっきりでなくとも、「悪いことしたら払わされるお金
と説明できる力を「日本語力」と言います。

では、英語でなんとかそれを伝えてみましょう。
Ahhhh, you do bad thing, you pay, money!

おそらくこの文章(?)の中で1番難しい単語は”pay”です。thingに付くべき冠詞あるいは複数形のsもなく、文章としてはちゃめちゃかもしれませんが、相手が英語を分かる人なら話していることがfine, 罰金であるということはおそらく伝わります。
このように伝える力を「コミュ力」と言います。

罰金を説明した英語を全て知っている(英語力がある)と仮定した場合、個人的に、1番大切な力はダントツで「コミュ力」だと思っています。

そして日本人の、学生でない英語学習者の多くが求めている力は「英語力」だと思います。

文法においても同じです。
正しい文法を知っている力を「英語力」
何を言いたいかを頭の中で組み立てる力を「日本語力」
相手が分かってないと思ったら言い換えてみる、分かってると思ったら”yes yes yes yes!!!”
と話を進めていく力を「コミュ力」

間違いなく最強なのはコミュ力なのです。

私の考えでは、世の中の全ての事象は中学レベルの英単語と文法で説明できます。
ただそれを、日本語でまず簡単に噛み砕くことができるか。
身振り手振りを使ってなんとか知ってる単語を駆使して物事を説明できるか。

きっとそれが1番大事だと思います(それが〜1番大事〜)

試しにやってみてください。
・国会議事堂
・糖尿病
・温室効果ガス

個人的な解答をまっっったく考えずに、てきとうに3つ挙げてみましたが、多分本当に中学レベルの英語でいけると思います。

そして「いや〜必要ないでしょう〜」と皆さん思っていたであろう「日本語力」が意外と大事だということにも気付くはずです。
自分が簡単な英単語しか使えないなら、日本語での説明も、相当簡単な言葉で説明しないといけなくなります。
子どもに何かを説明するかのように、細かく噛み砕いて理解していないと、拙い英語力では説明が出来ないのです。

「いやいや、でもさ、さすがに温室効果ガスは『二酸化炭素』とか、ちょっと難しい単語知らないと無理じゃない??」

「二酸化炭素」は英語でcarbon dioxide
確かに、中学レベルの英語ではないかもしれません。でも、皆さんは日本の教育で、二酸化炭素を他の方法で、しかも英語を使って表現する方法を知っているはずです。

CO2です。
ジャジャーン。て感じですね。
一本取られた〜てリアクションしてくれると嬉しいです。

とまあ、二酸化炭素をCO2と表現することができる、と瞬時に頭の中で切り替えられる力は、CO2は実質英語なのに少し矛盾していますが「日本語力」であり「コミュ力」です。

誤解のないように伝えておきますが、「英語力」はめちゃくちゃ、もう、めちゃくちゃのはちゃめちゃに大事です。
あるに越したことはありません。きちんとした文法で、きちんとした発音で、きちんとした単語を使って文章を作れることは、非常に大切です。コミュ力頼みで会話をするということは、相手にも頭を使って何をこちらが伝えたいかを理解してもらう必要があり、長時間そんな風に会話をすれば相手もしんどいです。

英語力を鍛えるのは間違いなく勉強です。そしてそれは一朝一夕で身につくものではなく、時間と努力が必要です。

それに引き換え、コミュ力と日本語力は、頭の中で鍛えることのできるものです。

さっきの日本語の例のように、何か名詞でもいいですし、今日あった面白い話を実際に頭の中でしてみる、とかでもいいのです。

結局のところ、英語力自身も実はコミュ力や日本語力に支えられているのであって、英語を話したい!と思う時に、英語を知っていれば日本語で話せないことを話せるようになるわけもなく、日本語でのコミュ力と同じコミュ力で、拙い英語を駆使しないといけないわけです。

ちなみに最初に挙げたfineという単語を、英英辞書で調べると
”money that you have to pay as a punishment”

という説明になります。関係代名詞やhave to, punishment, as などのある程度の英語力が必要となります。
決して難しい言い方は辞書であってもしていませんが、この文法でサクッと説明することはなかなか慣れていないと難しいかと思います。

海外に大人になってから行く人の多くはワーキングホリデーなど、英語力が必須条件ではない人たちだと思います。
海外に住む一年で、あるいは二年、それ以上の滞在期間で英語を話せるようになりたいと思っている方が多いと思います。

少し冷たい言い方になるかもしれませんが、たったの一年二年で英語はぺらぺらになりません。
もしなれるとしたら、勉強に専念して、英語を聞く機会も話す機会もしっかりと作り、日々新しいことを学び吸収していくことができた人、の中のさらに半数以下だと思います。

「ワーキングホリデーに来てまで勉強漬けの日々はしたくない。」
「仕事もしながらそんなに勉強になんて専念していられない。」

こういったものは言い訳だなんて全く思いません。
その通りだと思います。ワーキングホリデーの過ごし方なんてのは、人それぞれであって、誰にも指図される必要はないと思います。

だからこそ、日々の生活の中でもガンガン鍛えていける「日本語力」「コミュ力」を鍛えていくことは非常に大切だと思います

何度も言いますが、「英語力」はとても大切です。
ただ、高望みをしすぎるのは挫折にもつながります。
ツイッターや世の中に出てくる、「一年間でTOEICが~」とか、「三か月で英語がペラペラに~」とか言ってるのは、本当にめちゃくちゃにすごい人たちです。
そういう人たちと比べて落ち込むくらいなら、マイペースに学んでいくほうがよっぽどいいと思います

「人間は一年でできることを大きく見積もりすぎるが、十年でできることを小さく見積もりすぎる。」

どっかのなんかで聞いた言葉です(?)
海外の、なんかすごい人のなんかアレだった気がします(???)

皆さんは日本で義務教育を受け、英語を三年間は少なくとも勉強しています。よく言われることですが、日本人は読み書きの能力が非常に高いです。
つまり、完ぺきではないにせよ中学レベルの英語力を持っているはずなのです。
それをもってして、あとはコミュ力を磨けば何とでもなります。

「英語を話せる」という定義を、きちんとした文法や単語で、発音もかっこよくスラスラ話せる。

として捉えているのならそれは無理です。いや無理じゃないですが、相当な努力が必要です。

ですが、英語を使って生きていくことができるようになるには、何よりも「コミュ力」が必要だと思っています。


海外経験の中で、英語がペラペラにならなくたっていいじゃないですか。
きっと人生の中で誇らしい経験をたくさんできると思います。

あなたの英語力の進歩を笑うやつがいるかもしれません。
そんなやつには「うるせぇ」と言ってやってください。
必死に海外で生きた経験を笑う権利は他の誰にもありません。


感動的な締めになりかけたのでなんとかふざけたいのですが、思いつきませんでした。

なんにせよ、海外でも元気に生きましょう。
How are you?と聞かれたら、元気に
I’m fine と答えましょう!

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