リュックの紐を直した。ちょっと生きてみようと思った。

ずっと気づいていたのに、放置したままだった。右側の方がひどく長くて、いつも左にばかり負担がかかって偏った肩こりが続いていた。

最近、上手くいかない日が続いていた。別に何か特別な事件があったわけでもないけど、ずっと40点みたいな生活。どこか気怠く、幸せの感応度が下がったような毎日が続いていた。生きててもいいけど、終わってもいい。けど迷惑だから生きよう。追いつめられてもないくせに、そのようなことを思っていた。

そんな日々が、ひょんなことで休みをもらった。それは何もすることがなくなった午後8時。ふとリュックの中を整理しようと思って持ち上げた瞬間、あまりのバランスの悪さに落とし、大きな音を立ててしまった時だった。

何回か繰り返していくうちに、リュックの紐はどんどん短くなって、心なしか軽くなったような気がしていた。家の中をリュック姿で歩き、鏡を見た。

ランドセルだった。小学生の頃、まだランドセルをずっと背負っていくと思っていたあの頃。その中にたくさんの何かを背負い込んでいたあの頃の僕がいた。そしてその顔は少し笑っていた。

また明日から日常が始まる。けど、なんだか大丈夫な気がした。もう一つのランドセルに、忘れ物が確かに入っているような気がしていたから。

*ここまでお読みくださりありがとうございます。明日からまたリズムに乗って頑張りましょう!

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