見出し画像

へんなひとに絡まれる話し

生きていると不思議な体験がある。
色々あるうちの3つを話そうと思う。


・地元のセブンの近くにいた博多のおっちゃん

10年くらい前。当時僕は20才前後。だったと思う。
地元の先輩とセブンイレブンの近くでおしゃべりしている時、知らんおっちゃんが泥酔していた。

すごく酔っていて、ガラガラの駐車場で奇声を発していた。
怖いなー、嫌だなー、と思って見ていたら、おっさんと目があった。
やばい、と思ったけど遅かった。

「おい!なんだてめえら!!」

と怒鳴られた。

絡まれた、最悪だ。と思い、「見てないっすよ」と否定を続けていても全然引き下がってくれない。「てめぇらみてえなの見てるとムカつくんだよ」「歯向かってきてんじゃねーぞ小僧」「俺のこと博多でしらねえやつはいねえからな?」「俺には◯◯がバックについてんだぞ」「博多の海に沈めっぞ」
タチの悪い人だった。博多に迷惑かかるから、あんまり騒がない方がいいよ、と思った。

どう見ても泥酔している訳のわからないオッチャンに絡まれてどうしようもないと思った時、とっさに思いついた技があった。

誉め殺しだ。

ちょっとキレてるのかなくらいのテンションで
「俺、ここまで大人にちゃんと言ってもらったの初めてかもしんないっす」「正直最初はムカついたけど、ありがてえなって思い始めてきました」

などと、調子の良いことを並べ立てた。
するとおっちゃんは上機嫌になり、今度は僕のことをめちゃめちゃ気に入った。
自分のコネクションを紹介したくなりだしたらしく、

「今度兄ちゃんたちに、博多の兄貴紹介するよ」
「博多のキャバクラにも連れてってやるよ」

と言い出した。
神奈川県横浜市で泥酔しているおっちゃの話を穏便に逸らして、適当なことを言ってその場を離れた。


・電車でのヒステリックおばさん

4〜5年前。
夕方。稽古に向かうため新宿から中野方面の中央線に乗っていた。
空いてもないけど満員になるほど混雑してはない、でも立っている人が何人かいるような状態。
僕がスマホをみていたら、僕と向かい合うように立っていたおばさんが突然、僕のスマホをはたいてきた。
まさかアカの他人にスマホをはたかれるわけない。
だが、おばさんは続けざまにこう吐き捨てた。

「やめて!!私の顔の前で!こうしないでっ!!」

結構なボリュームだった。なんせ車両中の人が僕らの方を見た。僕まで変人扱いされてしまいそうだった。
「こうしないで」というのはおばさんの顔の前に嫌がらせのようにスマホを近づける仕草。もちろん僕はそんなことをしていない。自分の顔の前に見やすいように肘を畳んで画面を眺めていた。万が一おばさんの言うことが正しいのならば、僕とおばさんは付き合いたてのカップルのような顔の近さだったということになる。そんな距離は僕の方が願い下げなので、残念ながらおばさんの主張は、信憑性が低い。

その後もおばさんは数回、僕のスマホをはたこうとしにきた。
もはや、シンプルに暴力だったから、周りの人にはさすがに僕は変人に見えるようなことはなかったはずだ。

中野駅でおばさんはプンスカ言いながら降りていった。今思えば警察に連れて行っても良かったと思うけど、早く稽古に行きたかったし、あれ以上絡まれるのはごめんだったし、まあいいか。


・うずくまっていた人の側にいたおじさん

ある日の夜。
妻と2人で買い物に歩いている自宅の最寄り駅で女性がうずくまっていた。
声をかけたら意識があり、僕が「救急車呼びますか?」って聞いたら「大丈夫です。ありがとうございます。」と行って立ち上がったので、「分かりました。気をつけて帰ってくださいね」と言ってお別れした時に、近くにいたおじさんが僕に声をかけてきた。

おじ「お兄さん、優しいね!かっこいいね!
ぼく「あ、はぁ
おじ「日本にこんな若者がいるんだから未来は明るいな!はっはっは!
ぼく「ありがとうございます
おじ「(妻の存在に気づき)あら。奥様?幸せになれよ〜ばかやろう〜!

愛想笑いをした僕と妻を見ると、おじさんは満足そうな顔をして、「さ、仕事しますか」と、警備員の服に着替えだした。

おじさんがうずくまっていた女性に声をかけなかったのは、これから警備のバイトがあるからなのかなぁ、とちょっとだけ思ったけど、考えるのをやめて、僕はその場を去った。


・まとめ

そんな感じで、いろんな変な人が世の中にはいる。

なるべく絡まれずに生きていきたいけど、もしかしたら誰かにとって僕が変な人かもしれないし、僕が出会った変なひとも素敵な一面があるのかもしれない。

遭遇するのは最悪だけど、書いているぶんには楽しかったから、また過去の変な人との出来事を思い出したら書いてみようと思う。

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートはクリエイターの活動費に使わせていただきます!