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テクノロジーが趣味を「ムーブメント」へ変えた?【Off Topic Ep139】

宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するPodcast『Off Topic』。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。

雑談回となった「#139 雑談回 ”趣味の歴史”を深堀る宮武さん」は宮武が収録前に聞いた、“8時間”もの大長編のPodcastからのトピックを共有。さらには調べはじめてわかった「趣味」にまつわる思索、そこから発展するテクノロジーとの関係まで話は及んでいった。

素数迷路を超えるためのテクノロジー

この日のトークは、アメリカのポッドキャスターであるLex Fridmanの番組で、宮武が耳にしたというトピックからスタート。ゲストを招いて対談するこの番組に登場したのは、起業家であり投資家でもあるBalaji Srinivasanだ。

彼はCoinsyl共同設立者、Coinbase最高技術責任者、著名VCのAndreessen Horowitzでゼネラルパートナーも務めた経歴を持ち、インターネットやWeb3が形作る新たな都市国家を論じた『The Network State』といった著作を持つ、特にインターネット業界においても要注目の人物。

TechCrunch

Lex FridmanがBalaji Srinivasanと対峙したPodcastの配信時間は驚異の8時間弱。「週末を使って全部聞いた」という宮武が、その番組から得てシェアしたのは「Prime number maze」という考え方だった。直訳すれば「素数迷路」になるだろう。ある研究で、実験体のマウスにチーズを目的にした迷路を用意し、トレーニングを重ねると行き当たった際に「偶数の角」で曲がることが可能になるそうだ。しかし、それを「素数の角」にすることはできないという。これはマウスに限らず、人間を同じ状況に置いてみると、「行き当たった素数の角だけで曲がる」という動作が誰にとっても簡単ではないことを示している。

しかし、あくまでルールとしては「素数の角で曲がる」のは決して難しいものではない。素数を理解し、何かしらのアシストを使うなどしていれば(これは筆者の想像だが、勝手に曲がり角の数をカウントしてくれる機器類があれば人間は無心であっても曲がり続けられるはずだ)、簡単ではない迷路を超えられる可能性が出てくる。

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