Google独占禁止法の裁判パート⑩:Appleとのレベシェアのリーク、最終まとめ
Googleの独占禁止法の裁判が続く中、Off Topicでは出来るだけ頻繁に裁判の状況についてアップデートします。今回の記事は裁判の38日目〜42日目までの話となります。
今回の記事では裁判の最終週での出来事、そして全体をまとめて裁判長が考えなければいけない質問・トピックについてまとめました。
最も隠されていた数字のリーク
裁判が終わりを迎える中でシカゴ大学のエコノミストKevin Murphyが間違えて公開してはいけない数字を言ってしました。それはGoogleがAppleデバイスのデフォルト検索エンジンになるために支払っているレベシェアのパーセンテージ。数週間前にGoogleがApple、Samsung、Firefoxなどの企業にデフォルト検索エンジンになるために$26.3B支払ったことが公開されたが、そのうちAppleとの契約は公開されていない。今回Googleの証言者として呼ばれたKevin Murphyが間違えてリークしたのは、GoogleはAppleに36%の検索広告売上のレベシェアを支払っていること。その数字がリークされた瞬間Google側の弁護士はかなり険しい顔をしたらしい。
それをベースにしてなんとなくGoogleがAppleから儲かっている額が計算できる。Googleは2021年にApple含めて複数社に対して$26.3B支払っている。恐らくその$26.3BのほとんどがAppleだと思われる。仮に$20Bだとした場合、GoogleはAppleデバイスからの検索広告売上は$55.6Bとなる。恐らく2022年ではその額がさらに上がっているので、$60Bと仮定すると、2022年の$162.45Bの検索広告売上の37%がAppleから来ていることとなる。その割合に加えてGoogleが自社で提供するデバイスやブラウザーなどを合わすと、ほとんどのGoogleの検索広告売上が自社デバイスもしくはデフォルト検索エンジンからの契約が占めることとなる。
デフォルト検索エンジンの契約は競争環境を良くする?
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