paul weller/on sunset
すっかり爺さんになったウェラー。
だが、この10年でオリジナルアルバムを5枚リリース、サントラやライヴ・アルバムも出している。アクティヴシニアを地で行くワーカホリックぶり、凄い。「子供が多いから頑張らないとならん」みたいな話もあったが。
常にアーティストとして更新し続けているのも凄い。00年代ぐらいまでのポール・ウェラーは、過去のロックを自分の中で咀嚼して新しいものを作り出すスタイルで、日本の渋谷系と通じる流れで評価されていたと思うのだが、10年代に入ってから「ポール・ウェラー・スタイル」とでもいうしかない新しい音楽を作っている。昔からの耳にはちょっと理解が難しい作品もあるのだが、爺さんになってもチェンジングマン、いや爺さんになってから本当にチェンジングマンになった感じで、人生の先輩としてリスペクトだ。
さて、新作。「ポール・ウェラー・スタイル」の総決算とも言える作品。混沌としているが聴きやすく、唯一無比のものを作り出している。盟友ミック・タルボットやお馴染みスティーヴ・クラドックも良い仕事をしている。
アルバム・タイトルは爺の自分を揶揄していると思うが、ジャケットのような「綺麗な夕日」「マジックアワー」的な風景が音からしっかりイメージでき、トータルアルバム的な感じもある。
インタビューではやたらと「人生の終焉」的な話を向けられているが、作品から感じるのはアグレッシヴなエネルギーで、多分本人は「ちょっと年食ったな俺」ぐらいにしか思ってないはず。
次の作品もこれより良いのを作るんだろうな。凄い。
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