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海外に行ったら入国を拒否された話@マレ

地球上の7割は海だと学習した記憶がある。
だからか、海大好き人間ではないにも関わらず、
今までそれなりに何度も海に行ったことがある。

どこの海がよかった?などと聞かれることがあるのだが、
個人的に訪れた際での海のきれいさで言ったら

ボラボラ島(タヒチ)
宮古島(日本)
小さな島(モルジブ)

このあたりの島の海が真っ先に思い出される。

そしてそのモルジブの話。

モルジブはインド洋に浮かぶ小さな島々で構成された島国。
1島1リゾートというポリシーがあるらしく、
その小さな島々に、それぞれリゾートホテルを建てて
そこに外国からの観光客を集めている。

国自体はイスラム国家なので、
国として半裸でビーチを闊歩する観光客を
イスラム教徒の国民から遠ざけたいのかもしれない。
モルジブへのアルコールの持ち込みも禁止されている。
(リゾート島では販売してるし飲酒も問題なし)

国際線で首都マレの空港に到着した多くの観光客は、
その足ですぐ空港のすぐ横にあるフェリーターミナルから、
それぞれが予約してある各リゾートへ向かうことになる。
リゾートがマレから遠い時は水上飛行機で向かうことになる。

いずれにしろ、大多数の観光客はリゾート直行のため、
首都のマレを観光したり、
モルジブ人と触れ合ったりする機会に乏しい。

私の初のモルジブ旅も案の定リゾート直行。
宿泊代はそれなりに高かったが(自分比)
目の前には真っ白な砂とクリスタルブルーの海。
思わず聖子ちゃんの名曲を口ずさんでしまうほど
快適で満足のいく滞在ができた。あなたが好き。

ただ、やっぱりマレのことが気になる。
小さな島の首都だけあって、人口過密が半端ないという噂。
東京、香港、ダッカをしのぐほど本当にすごいのか?
滞在するまでの興味はないが、ちらっとは見てみたい。
どんな街なのか?人々はどんな生活をしているのか?

そんな私の好奇心を満たすチャンスがやってきた。
そのとき、私はドバイ(アラブ首長国連邦)から
コロンボ(スリランカ)まで移動する必要があった。

航空券を検索していたときに、面白いルートを見つけた。
ドバイをハブ空港としているエミレーツ航空だ。

通常エミレーツは、
1.ドバイ→コロンボ 直行便
2.ドバイ→マレ 直行便
というルートを飛ばしている。

これに加え、
3.ドバイ→マレ→コロンボ 経由便
というルートも飛ばしていたのだ。

ドバイから3の便に乗ってしまうと、
マレでの滞在が1時間ほどになってしまい、
当然そこで飛行機を降りて市内観光などできない。

だから私は考えた。
まずは2の便、つまりドバイからマレまで早い時間帯に行き、
そこで飛行機を降り、マレを市内観光する。
そうするうちに、3の便がドバイからマレに到着し、
そこに乗り込めばコロンボに行くことができる。

旅程はこんな感じ
ドバイ発2:30 マレ着7:30
マレ発16:30 コロンボ着18:30

運賃もドバイからコロンボに直行する便とほぼ同額で購入できた。
(ちょっと検索に工夫が必要。エミのHPから購入)
マレの観光は半日もあれば十分だろう。

ドバイの丑三つ時に私はマレ行きの飛行機に乗り込み、
微妙に睡眠不足の状態でマレに到着した。
イミグレーションでパスポートや入国書類を渡す。

「どこに泊まるの?」
入国審査官の男性は聞いた。
私の入国書類の滞在先の欄が空欄だったからだろう。
「泊まりません。今日の飛行機でスリランカに行くからです」

私は明確に答えるだけではなく、
スリランカ行きの航空券を予約している書類も見せた。
不法滞在を疑われては困る。
私はきちんとモルジブを出国する航空券を持っているのだ。
世界最強と言われる日本国パスポートも持っている。
鬼に金棒とはこのことだ。

入国審査官は私の書類を見たうえで答えた。
「入国は認められないYO」

え?別に出稼ぎ目的とかじゃないんですけど?
違法な薬物も持っていないし、
なんならアルコール飲料も持っていませんが。

なんとか交渉しようとしたのだが、
審査官は宿泊先がないなら滞在は認められない、
と一点張り。取り付く島がない。
こんなに島だらけで構成されている国家なのに。

日本のパスポート最強説、ここに敗れる。
鬼に金棒じゃなくて、ただのこん棒だった。
攻撃力低っ

私はモルジブへの入国が認められなかったため、
マレの市内観光が幻と消えた。
その代わりに残ったのは、半日という長い時間だ。

幸い私はプライオリティーパスを持っていた。
世界各地の提携ラウンジを使えるカードだ。
ラウンジに入れば飲食が無料でできる。
くいっぱぐれはない。

マレの空港に1つだけあるラウンジに向かった。
とりあえず怒りを静めるのは暴飲暴食だ。
タダ飯を食いまくってタダ酒を飲みまくってやる。

ラウンジの受付嬢は私に言った。
「プライオリティーパスと以前は提携してたんだけど
今は提携してないんだYO。あんたここ入れないYO」

マレの空港は大きくない。日本の地方空港レベル。
小さな土産物屋と免税店は5分で見学終了。
そしてラウンジ使用ができないときた。
せめて空港内にWi-Fi、、、飛んでなかった。
スリランカ行きの飛行機まであと半日。
ここでどうしろと。きつい。

無駄に飛行機に乗ってマイレージを稼ぐ人を
修行僧と言うそうだが、
このときは私もある意味修行僧だった。
無駄に経由便にするのではなく、
はじめから直行便でコロンボに飛べばよかったのに。

飲まず食わずで(空港内のぼったくり価格が許せず
自発的に断食したため)することがなく半日。
確かにあれはかなりハードな修行だった。


ま、時間をつぶせる何かを持って行ったほうがいいよという話です。
最近はスマホの中にいくらでもゲームなり動画を入れられるが、
ちょっと前まではそういうわけにもいかなかったのだ。
スマホがロトの剣を装備した勇者だとすると、
昔はみんなこん棒1本で敵をなぎ倒していたのだ。




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