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プライオリティパスを解約した話

そこそこ大きな空港にはラウンジがある。
空港ラウンジは基本的に搭乗を待つ人が使うもので
快適な時間を過ごせるように、ゆったりとした座席配置で
無料の飲食が提供されている場合が多い。

プライオリティパス(以下PP)は空港ラウンジに入るためのものだ。
普通は年会費469USD(2023年レートで約7万円)で
世界中の空港にある提携ラウンジに入り放題なのだが
そんな年会費を払っている人を私は見たことがない。

楽天プレミアムカード(年会費1.1万円)を作れば
PPを楽天カードから無料でもらうことができるからだ。
他にもPPをもらえるクレジットカードはあるが
たぶん多くの人が楽天カードからもらっている。安いし。

ここから追記
2025年1月1日以降、楽天プレミアムカードからもらえるPPでの
海外空港ラウンジ利用は年間5回までが無料になるという制限。
2024年12月31日までは回数制限なしで無料。
追記ここまで

私も以前はクレジットカード会社からPPをもらっていたが
コロナ禍の中の人生見直し期(いわゆるmidlife crisis)において
JALカードのショッピングプレミアムとともに
自分の人生に不要だと判断したのでバッサリ解約した。

その個人的な理由を以下に記す。

1.単純にコスパの問題

楽天グループに個人的な恨みがあるので
楽天にはかかわらないように生きている。
なので、私はセゾンプラチナアメックスというカードを作り
そこからPPをもらっていた。

セゾンプラチナアメックスは年会費2.2万円のカードなのだが
私はこの他にもVISAだのMasterだのJCBだの持っていて
クレジットカードを持ちすぎなんじゃないかと
いつの日から感じるようになっていた。

セゾンプラチナは以前は招待制だったために、
カードを作りませんか?というお誘いが来た時には
秘密結社に誘われている感じで高揚感を覚えた。
しかし今では自己申請で審査に通れば作れるらしく
秘密結社も地に堕ちたものだ。希少性もなにもない。

2020年はコロナが蔓延した年。
私はぱったりと海外に行かなくなってしまった。
当然ラウンジも使わないわけで、PP不要だよね?
クレジットカードを減らすなら年会費の高い
セゾンプラチナだよね。という結論に至る。

よく考えてみると、空港で搭乗前に軽く飲食をするとして
その費用が1回2200円だと仮定する。
仮に楽天カードの場合だと年会費が1.1万円なので
PPでラウンジを5回ほど使えばトントンの計算だ。
セゾンプラチナの場合は10回使えば損益分岐点。

私はJALのグローバルクラブやANAのスーパーフライヤーズといった
お得意様カードを持っているので、それさえあれば
提携航空会社(合計40社ぐらいか?)を使うときでも
エコノミークラス搭乗時でもラウンジを使わせてもらえる。

LCC使用時などにはPPは大活躍すると思うのだが、
私は値段が極端に安い場合のみLCCを使用し、
多少LCCの方が安い程度ならLCCは選択しない。
イレギュラー時のことを考えての保険料みたいなものだ。

そうするとますますPPを使う機会が少なくなり
これはコスパが悪いんじゃなかろうかと。

2.混雑状況の問題

満席のビジネスクラスに乗るより
ガラガラのエコノミークラスの方が快適に感じる。
それぐらいパーソナルスペースが侵されることが嫌だ。

出発便が重なる時間帯は、空港ラウンジも混みやすい。
そんなラウンジに入ったところで私はくつろげない。
人のまばらな空港の隅っこの椅子に座って
Wi-Fiつなげてスマホをいじっていた方が快適だ。

楽天カードがPPをバンバン配っているからか、
コロナ前にPP提携ラウンジが混雑していたために
利用をためらったことが続いたことがあった。
日本人だけでなく、世界的にもPP保持者が
増加傾向なのだろうか。

シンガポールのPP提携ラウンジに早朝行って
人が少なめの隅のほうに行ったら
隣の人ががっつり寝ていたとかね。
いびきをかいて爆睡している人の横でくつろげる図太さを
あいにく私は持ち合わせていないのでラウンジ退出。

各国が水際対策を緩和し、コロナ前の状況に近づきつつある2023年。
旅行者の増加に伴い、空港ラウンジもまた混雑することだろう。
混雑する空間に金を払ってまで入る価値が見いだせないのだ。

3.万能ではない問題

PPは空港の提携ラウンジに入ることのできるパスだ。
大きな国際空港ならまず提携ラウンジがあるのだが
中にはPP提携ラウンジが存在しない国際空港もある。

私が入国拒否されたばっかりに、とんでもなく長い時間
空港内制限エリアで飛行機を待たなくてはならなくなってしまったとき
PP提携ラウンジがあれば大活躍だったのだが・・・

一国の首都空港であっても、PP提携ラウンジがない場合もある。
PPは万能ではないのだ。
その点航空会社が運営するラウンジは、地方の小さい空港は除いて
大都市の空港ならまず営業しているので多い日も安心。

(と油断していると、コロナの影響で航空会社ラウンジが
閉鎖していたという体験をした。2022年の成田での話。
当時エミレーツ航空の成田のラウンジは閉鎖していて、
営業している他社のラウンジを使わせてももらえなかった。
なお2023年はオープンしている模様)

4.大阪ぼてぢゅうの問題

PPは提携する空港ラウンジに無料で入れるのだが、
空港によっては提携するレストランで
無料で飲食をすることができる(上限額あり)。

例えば関空における大阪ぼてぢゅう。お好み焼き屋。
PP保持者は3400円までPP側が費用を負担してくれる。
たくさん食べたら超過した分だけを払えばいい。
注文の合計額が3400円以下ならもちろん無料。

私は利用したことがないので伝聞情報なのだが
関空ぼてぢゅう、相当混雑しているらしい。PP保持者の利用で。
行列を作って順番待ちするのが常態化しているとのこと。
関空ぼてぢゅうがPPと提携しているために、近くの伊丹より
遠くの関空を使う猛者もいるとのこと。お好み焼きの魔力。

関空ぼてぢゅうは国内線到着時でもPP使用可らしいのだが
普通PPは出発時に飛行機の搭乗を待つ間に使うものである。
出発待ちのときにぼてぢゅうで順番待ちをしていると
飛行機に乗り遅れる可能性がある。

もし関空ぼてぢゅうでPPを利用したいのなら
行列の待ち時間を考慮して早めに空港に到着を!!
って、なんか本末転倒だなと思うに一票。

そこまでしてお好み焼きを食べたいのだろうか?
そこまでして3400円分の無料飲食をしたいのだろうか?
そこまでして権利を行使したいのだろうか?
そこまでして年会費の元を取りたいのだろうか?

搭乗開始時刻を気にしながら行列に並んで
お好み焼きが焼きあがるのをイライラしながら待って
早食い競争のごとくお好み焼きを食べたところで
私が得るものは1食分にしては多めのカロリーだけで
快適さや満足感といったものは何も得られないと思う。

だから、そうなる前にPPは解約。
飛行機を待つ時間を快適に過ごすためのラウンジなのに
PPを使うことありきの行動スケジュールになってしまっては
元も子もない。という私の価値観。



ま、私はわりと断捨離が好きですよ、という話だ。
それでも捨てられないものもあるし(旅行カバンとか)

捨てた後で後悔することもある。

PPもまたほしくなったらクレジットカード作ればいいや
ぐらいの軽い気持ちの断捨離。


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