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パスポートを忘れて国境を越えられなかった話@アルへシラス


以前、パスポートを忘れて飛行機に乗れなかったことがあった。

国境を越える際にはパスポートが必要である。
場合によっては同じ国内の移動だというのに
パスポートが必要なときがある
(例:マレーシアの半島側⇔ボルネオ島側の往来)

パスポートが不要なのはEU域内の移動。
そして私はそのとき、まさにEU域内である
スペイン南部のアルへシラスにいた。
EU内だということで油断していたのだ。


アルへシラスはジブラルタル海峡に面する都市だ。
この古代からの交通の要衝である港町・・・
というより、世代的にジブラルタル海峡と言えば
風雲!たけし城。竜神池とかもね。おもしろかった。

そんなアルへシラスを訪れた目的は、
アルへシラスの対岸のアフリカ側にある
スペインの飛び地セウタに行く。
もしくは、アルへシラスから陸路で行ける
イギリス領ジブラルタルに行くことだ。

どちらも行きたかったのだが、
どちらも行く時間はなかった。
そして、そのどちらも私のリサーチによると
半日も観光すれば十分かなという場所だった。

結局私は、当日の天気に判断を委ねることにした。
もし天候不順ならセウタまでフェリーで行くのは
いろいろと面倒だろうということで。
天気の心配がなければセウタ、
雨風が強ければジブラルタル。

そして当日。アルへシラスのホテルで起きて
カーテンを開けたら今にも雨が降りそうな黒い雲。
そういえば中学生のときに地中海性気候について学習した。
夏は晴天カラカラ。冬は曇天じとじと雨。
年末年始の休暇を利用している私にとっては
そりゃ雨が降っても文句は言えない気候なのだ。

よってジブラルタル行きに(消極的に)決定。
朝食を済ませ、前日のうちに調べておいた
ホテル近くの路線バスのバス停に行き、
ジブラルタルとの国境の街であるラ・リネアに向かう。

終点でバスを降りるとジブラルタルの国境まで徒歩数分。
国境にたどりつき、遠くには有名なジブラルタルロックが見える。
私、本当にそこまでド忘れしていたんですよ。
国境の検問所を見た瞬間ようやく2つの事実に気付いたんですよ。

1.ジブラルタルはEU域外となるため、入国審査でパスポートが必要になる。
2.今、事情により手元にはパスポートが存在しない。

結論:目の前のジブラルタルには入国できない


ここでそのときの私の旅程の一部を紹介。

DAY1 夜バルセロナ到着。空港近くのホテルに1泊
DAY2 朝セビーリャに国内線で移動
    その後バスでアルへシラスに移動、1泊。
DAY3   午前 ジブラルタルかセウタの観光
    夕方 バスでセビーリャに移動
    夜  国内線でラスパルマスに移動

そのDAY2 セビーリャで。
空港からバスターミナルへ移動する間に
立ち寄った携帯ショップでSIMカードを買った。
そのときの手続きでパスポートを店員に見せたのだが、
店員は私にパスポートの返却を忘れ、
私も受け取りを忘れたままアルへシラス行きのバスに乗った。

アルへシラスのホテルでチェックインするときに
パスポートがないことに気づき、その場で
ホテルスタッフにセビーリャの携帯ショップに連絡してもらった。

その結果、店でパスポートを保管してくれることと、
翌日(DAY3)の夕方にパスポートの受け取りのため
セビーリャの店に私が行くことを確認した。

そこで安心してしまったからか。
一晩寝たら、私は忘れたのだ。
手元にパスポートがないという事実を。
朝カーテンを開け雨雲を見た瞬間
ジブラルタル行きに気持ちが切り替わり
セビーリャにあるパスポートのことなど1ミリも考えなかった。

よって。

ラ・リネアで己の不甲斐なさに軽く呆然とした後、
再び路線バスでアルへシラスにとんぼ帰り。
ホテルに戻ってもそこにパスポートはない。
セウタを観光する時間的余裕ももはやない。
ないないない。でもここはアルへシラス。

ジブラルタル海峡でバレーボールの砲撃を受け落下
無念のリタイヤとなったたけし城参加者の気持ち、
時空を越えてここに復活。



ま、パスポート取り扱いに関しては慎重にしろという話です。

そういえばここまで書いて思い出した。
キプロスに行ったとき、ついでに北キプロスにも行こうと
国境にバスで行ったのだが、そこでもパスポートを忘れ
結局北キプロスには入国できなかったことを。
パスポートをホテルの金庫の中にしまっていたからだ。
パスポートは大事に保管しすぎてもいけないらしい。

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