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海外でパスポートを落とした話@アレッポ他

今まで海外でパスポートを2回ほど落とした(←おい!)

1回目(@シンガポール/マレーシア国境)

シンガポールから路線バスに乗って国境を越え、
マレーシアに入国しようとしたとき。

一連の行動の流れとしては
1.シンガポールで路線バスに乗る。ブギス駅の近くのバス停から乗車。
2.シンガポール出国審査場でバスを降り、出国審査を受けて出国。
3.再びバスに乗り、ジョホール海峡上の橋を進む。
4.マレーシア入国審査場でバスを降り、入国審査を受けて入国。

どうやら上記2の直後~4の行程のどこかでパスポートを紛失した模様。

とりあえず、事実をマレーシアの入国審査官にそのことを告げる。
審査官はこちらにたずねる。
あなたの名前は? 国籍は? 誕生日は?
そして最後にこう言った。

あなたのパスポートはこれか?

誰かがパスポートを拾って、審査官に届けたらしい。
そして、自分はたまたまその審査官に話しかけたのだ。

これは奇跡体験アンビリー隊長ブートキャンプですよ。
ビクトリー!


2回目(@アレッポ)

シリア南部のダマスカスから、北部アレッポまでバス移動。
アレッポのバスターミナルに行くと思われたバスは、
どこだかよくわからないアレッポの街中で停車し、
乗客は全員降りた。私も降りざるを得なかった。

旅先のインターネットはネットカフェでつなげるこの時代。
グーグルマップなどは手元に存在せず、
現在地がどこだかわからない。
おまけにシリアの言葉であるアラビア語もわからない。

とりあえず歩くとホテルらしき建物があったので、
部屋を見て値段を聞いて、値段を交渉してからの
チェックイン プリーズ。
英語が通じるってありがたい。

ホテルのスタッフが言った。
パスポート プリーズ。
はいはい。パスポート。パスポートっと。
ここで気づいたよ。パスポートはバスの中に置き忘れたと。

ダマスカスからアレッポまで、検問所のような所があり、
そのときにパスポートをカバンから出して見せたのだ。
でもその後の記憶がない。だからたぶん車内に置き忘れたと。

とりあえずチェックインはできて、部屋を使わせてもらえたけど
ここから私のパスポート探しの苦難の物語が始まる。

海外でパスポートを紛失した場合の
リカバリープラン

1.現地の警察に行き、事情を話して書類を受け取る

国によっては警察署に行くことなく、オンライン申請もできるらしい。
また、小さな警察署では扱えない案件となってしまう場合もあり、
そのときは近隣の大きな警察署に向かう必要がある。
国によってはツーリストポリス tourist policeと言って、
旅行者に対応してくれる部署があり、英語も通じやすい。
受け取る書類名は国によって違うけど、だいたい
「ポリスレポート police report」か
「ロストサーティフィケート lost certificate」で通じると思う。

2.最寄りの日本国大使館(または領事館)に行き、
紛失したパスポートの失効手続き等をする

ただし大使館の営業時間内だけなんだなこれが。
イスラム圏の国なんかでは金曜休みだったりもするので確認。
あと日本の祝日も平気で休むよ大使館。
基本的に大使館職員は上から目線で対応してくるが、
今後どのような手続きをすればいいのか等を教えてくれる。
再発行のためには、日本の市役所で戸籍謄本(抄本も可)を
家族とか知人に取得してもらい、それを送ってもらう必要あり。


さて、私の場合。
ホテルのスタッフに、現在地と警察署と
バスターミナルの場所を確認。
まずはバスターミナルに行き、
パスポートが届いていないかを確認。

さらっと書いたけど、シリアのバスターミナルなんて
まぁ予想通りカオスな世界であり、
インフォメーションセンターのような所は当然ない。

東洋人がふらふら歩いていると、
客引きおじさんが次から次へと来るわけだが、
そこで問答無用で英語でこちらの事情を説明する。

そこでわかったこと。
正しい文法で詳細に事情を説明するより、
必要最小限の英単語をゆっくり言ったほうが100倍通じる。

ヘルプ ミー
アイ ロスト マイ パスポート
ダマスカス アレッポ バス パスポート インサイド

客引きおじさんたちはかなり親切(もしかして暇?)で、
同じく出川な英語でこちにたずねてくるものの、
なんせ自分がどのバス会社を使ったとか、
どこで降りたとか、覚えてないから答えられない。すまぬ。

その後は警察。時刻は夕暮れ。
警察署は暗いしボロボロだし、警察官はだるそうに寝っ転がってるし、
なんかもうやばい雰囲気。アヘン窟ってこんな感じ?
東洋人が英語で何か言っても、うるさいあっち行けと
取り付く島もない状態。

警察で書類作ってもらわないと、パスポート再発行できないんだけど。
なんてこちらの事情はおかまいなし。
明日、ダマスカスの日本大使館に電話をして状況を伝え、
どの警察署に行けばいいのか指示を仰ごう。

ホテルに戻る前に、念のためもう一度バスターミナルへ。
すると。
ジャパン! パスポート!
客引きおじさんたちが、みんなであのブースへ行けと
身振り手振りで教えてくれる。

ついにパスポート回収。よかったよかった。
マニー!
パスポートを保管していたおじさんがチップ請求。
はいはい。ですよねー。
おじさん笑顔、こちらも笑顔。命拾いした。

アレッポは素敵な街です。
バスターミナルのおじさんたちは親切です。
大モスク近くの商店街の少年たちは口々に
たんたん たぬきの きんたまは~
と日本語で歌います。誰だよその歌を教えたやつ。


ま、パスポートの再発行はかなり面倒で時間もかかるので、
管理に自信がなかったらパンツの中に入れておけという話です。

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