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揺れ動く時代の階段を

※これは峰個人の勝手な予想、妄想なので意見とかいらないし、苦情もいらないし、その解釈間違っているよ、とかもいらないです。もっとみんな私に優しくして欲しいし手数料は満額ほしい。

不動産屋(仲介)を取り巻く状況が激しく変化しているのを感じる。
少ない市況の中での牌の取り合いは激化しており、各社その着地を「仲介手数料割引」にしてしまった。
いったいいつからこんなことになってしまったのだろう。
少なくとも私がプレーヤーとして活動してきた期間では、前回の消費税増税後、爆買いなんて言葉が出始めた頃からだったように記憶をしている。

それ以前は余程のことがなければ「我々の命の源とも呼べる手数料を減額するなんて正気か?」くらいの認識だった。

それがいまはどうか?私が日々観測している中で「売主1%」が出てきた。なぜか?

リーマンショックの傷が癒えてきて、ようやく新卒採用もしていこうか、というタイミングで前回の増税駆け込みが起こったように思える。
その後現在に至るまで不動産市況は右肩上がりであることは間違いない。
とにかく人が足りなかったのだ。各社バンバン人をとっていた。かといってバンバン辞めさせられるほど厳しい社会ではなくなってきており、こぼれ落ちる人間はいたけれど、なんだかんだ黙っていても数字になる時期だったこともあり、詰められることはあっても首になることはあまりなかった。(フルコミ戦士は別な)
ただし、新築分譲戸数は年々減っていた。そしてめぼしいエリア、駅には各社どんどん出店して行っていっていた。

コロナ前よりなんだかきな臭い感じはしていた。どこが焦げているのか、腐っているのかわからないけれど、ユニット制の導入、ボーナス上限の設置、厳しくなる社内管理等、簡単に言えば営業が稼げない雰囲気が漂っていたように思える。
営業の旨味はなにか。お金だ。仕事をし、評価されたとしても給料に繋がらないのであれば一定層はつまらないと考える。
仲介に限った話ではなく、買取会社、戸建業者も競争が激化しており「買えない」状況があったことも頭に入れておきたい。(アパート屋は爆死してた)では買えるようにするにはどうしたらいいか。お金だ。お金を投げればいいんだ。給料が増えない営業はどうしたらいいか。そうだ、お金だ。
こうして段々と腐敗の臭いが漂い始めた頃、コロナが直撃した。

※コロナはただの言い訳であるようにも思える。

不動産の価格は上昇している。仲介としてはチャンスだ。売り時だと言える。各社預かりたいけれど紳士協定的なものはある。でも風の噂で手数料50%割引って話を聞いた。じゃあうちは同条件でスーモのコマも、設備点検サービスも、クリーニングも入れます!何卒〜!
私が営業なら査定前にセンター長の了解を得て、切り札としてこんな話をすると思う。最終手段は手数料1%だ。

別に手数料を割り引くのが悪いわけじゃない。私だって顧客の内容に沿って柔軟に手数料を捻じ曲げる。次につながる仕事なら目の前の利益を捨てることもある。それは私と事務子(60歳)が日々パンを買えるだけあれば良い、という非常にエコな思考からきているだけなのである。

では何百人と社員を抱える会社はどうなるのだろうか。
一つの店舗にかかる月の費用っていうのはいくらくらいなのだろうか。
手数料1%で受けた媒介が客付されたら人件費、広告費を考えたらいくら残るのだろう。
ほとんど残らないのである。だから買主も自社で見つけて合計4%で帳尻を合わせよう。そうだ、売主さんはコロナ禍だけど旅行に行っていることにしよう。クリーニングが終わるまでは内見ができないことにしよう。
数年前、週刊誌にすっぱ抜かれたことをまたやっているのである。
明治卒のセンター長が、その脳みそを絞って出す言葉が「トランクルームに荷物を移してからじゃないと内見してもらいたくないって売主が言ってる」っていうのは悲しくならないだろうか。

囲い込みの件は本題ではないけれど結果として蔓延している。伝染病みたいなもんだ。ともかく会社が回らないのだ。でも増えた社員は簡単には切れない(リストラ的なのは始まっているけど)
じゃあ自社でも買取再販をしよう。リフォーム受注もしよう。契約は基本的に両手で。

なんとなくだけど、こんな感じなんじゃないかなと妄想している。

あとは「最近の顧客は頭がいいっていうか、調べちゃうからなぁ」という人がいるけれど、流石にそれは馬鹿にしすぎだし、少しでも安く買いたくて、少しでも高く売りたくてっていうのは昔から変わってない。変わったのは情報がすぐに拡散してしまう、という世界の方だ。
いままではなんとか言いくるめたり、ゴリっとできた世界が不動産屋の世界だったのかもしれない。どんな業種もそうだけど、変なことをしたらすぐ悪評が立つ時代なのだ。
賃貸に関してはまた毛色が違うからなんとも言えないけれど、仲介手数料っていう純度の高いお金が入って来なくなりつつある、っていうのが不動産屋を取り巻く状況の大きな変化なんじゃないかと、と妄想している。

今後コロナがどうなるかわからないし、インフレなのかデフレになるかわからないし、知らんけど「手数料値引きという劇薬」を顧客に与えてしまった以上、元通りになることは難しいと思う。自らの首を絞めてしまった業界への罰だ。

ソニー不動産の定額制(笑)とかみんな言っていたけれど、彼らは案内に立ち会うこともないし、実に理にかなったやり方だなと感心していた。当時笑っていた人たちはみんな手数料が爆発しているのに、毎回案内に立ち会っている。滑稽すぎるだろ。

仕事量は増えるのにお金は増えない。だんだんと疲弊していくのが見えるような気がする。
この状況がいつまで続くのかはわからないけれど、私はじっと眺めながら時より大手とバッティングしたら「弊社の知り合いの業者に買ってもらうなら手数料0でもいいんですけど〜ダメですかね^^;」と最後の刀を振り下ろして自らの首を切ろうと思います。

手数料満額欲しい。アディオス!

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