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【NO.0149】 不適切にもほどがある

 テレビで、「不適切にもほどがある」というドラマが、昭和世代に受けていると聞き、第1話を視てみた。
 カミさんがドラマを録画でよく見ているのを時々チラッと見ることがあるのだが、金曜日の夜ということもあって、ちょうどこのドラマを視ているところに遭遇し、気になってしまったこともあったので視てみた。

 1986年から2024年へトタイムスリップした中学校教師の主人公が、昭和の今の令和に時代では「不適切」と言われる発言を連発し、令和の停滞した息苦しい空気をかき回すという感じの設定のドラマ。

 最近、昭和懐古を思わせるものが増えてきていると思っていましたが、ここまで、ストレートに昭和と令和の対比を強調したものは、私の知る限りなかったのではないだろうか。

 第1話のタイトルが「頑張れって言っちゃダメですか?」というもので、会社内でのパワハラやセクハラに関するもので、最後には、ミュージカル風に令和の時代の問題点を指摘している。

 
 昭和世代ど真ん中の私が、第1話を視ていて一番残ったものが、『こんな未来のために頑張って働いてきたわけじゃない』という昭和の主人公が、令和の企業人の会話を聞いていて発した言葉。
 この言葉、私たち昭和世代もよく言われた言葉で、戦前の激動の日本を生き抜いてきたが、戦後日本に生まれた国に対して希薄な想いしか持っていない世代を指摘する時によく聞いた言葉で、例えば、幕末、列強から国をまもったとされる人物を取り上げ、「今の時代に龍馬が生きていたら、『こんな世の中にするために命をかけたんではない』と嘆くのではないだろうか」という風な論調をよく聞いたことがあった。
 幕末~明治~大正~昭和~平成~令和と時代が移って行く中、考え方がどんどんと変わってきたようだ。特に、西欧の情報が入ってくるのと合わせ、日本の伝統的なものを否定したような時代の流れが、激しくなってきたように思える。

 思うのは、令和に生まれた世代が、次やその次の世代まで生き抜いて、どういう言葉を発することになるのだろうか?ということ。
 歴史を懐古しているだけではダメで、そこから学ぶということしなければ、次にくる時代が無くなってしまっていたということにもなりかねません。
 いつの時代も重要であったと思うのですが、その重要な時に何もしてこなかったのがこの日本であり日本人だと思う。その繰り返しが、もう取り返しのつかない日本にしてしまったという要因は大きい。

 私たち昭和世代は過去の異物と思われがちですが、明治や戦前のよき日本であっただろう姿を直に聞いているものとして、令和の時代へそのことを伝授していくと言う役割があると思います。そのためにも真実のよき日本の姿を知労とすることが私たち世代に求められているのではないだろうか。

 


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