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彼の存在感の秘密が垣間見える | 「ミニシミテ」(著者:田中泯)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

本屋で平積みとなっている本の中でシンプルながら目立っているものがあって、何かと思って手を取ったのが田中泯さんの「ミニシミテ」であった。映像の中で圧倒的な存在感を出す俳優であること、世界的ダンサーであることは知っているぐらいで一体どんな人なのだろうかと気になって読んでみた次第である。

世界的ダンサーの田中泯さん。俳優としても初出演で代表作になった山田洋次監督の映画『たそがれ清兵衛』から、アカデミー賞ノミネート作品ヴィム・ヴェンダース監督の映画『PERFECT DAYS』まで、名バイプレーヤーとして存在感を示しています。
10年以上にわたって綴られたエッセイ(山梨日日新聞)は、ときに歯に衣着せず痛快、初めて明かされる脱皮のきっかけとなった出会いや、常識への疑問、農作業にいそしむわけ、日々の喜怒哀楽。そして、世界各地で行われた場踊りで生まれたエピソードは、きっと読み手の身にも沁み入ることでしょう。

さまざまな人々──監督の山田洋次、ヴィム・ヴェンダース、犬童一心、世界の知性、ロジェ・カイヨワ、大江健三郎、心通わせた坂本龍一、樹木希林、中上健次、京都西陣の大店の主人、名杜氏、芸人、山梨で農業を営む人々、そして師匠土方巽──との出会い。
さまざまな土地の記憶とともに──パリで、ニューヨークで、プラハで、冷戦下のソ連で、福島浪江町で、奄美大島で──オドる。

世界も将来も視界不良のなか、社会の空気に飲み込まれず、自分らしく生きたい人にとって、多くのヒントが得られるでしょう。
嬉しいときは嬉しがり、怒りや悲しみを生きるエネルギーに変える言葉が見つかります。

amazon公式より抜粋

自分の目で観たものや考えていることを文章にすることが非常にうまい印象を受ける。考え方のベースに独自の芯みたいなものがあって、描写についても視点が特異な感じが滲みでてくる。もちろん彼の考え方や思想について100%賛成というわけではないが、「そうだ」と相手に言わせてしまうような不思議な力があったりするので、人によっては厄介かもしれない。だが同時に彼の存在感の秘密が垣間見せるような気もしたりするので面白かったりもする。

今度、オドリを生で観てみたい。


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