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ピンポンパーキンソンってご存知? 1

出会いは突然やってくる

長く人生をやっていると様々な出会いや別れがある。
ひょんなことからどんどん状況が変化するのを怖がらずに
飛び込むタイプの私の人生の一コマをご紹介します。

2022年も相変わらずコロナが猛威をふるっている。
そろそろゴールデンウィークも終わり、いちごパフェも食べられなくなる頃、私がオーナーを務める「TABIcafe」に彼女はやってきた。
期間限定で販売している「いちごパフェ」をお友達と注文し雑談。(現在はカフェ営業は終了しています)

カフェはスタッフに任せて
私は奥の部屋で旅行のプランニング(こちらが本業)に没頭。

背後のキッチンのさらに表側のホールの方からお客様の声が聞こえる。「ここって旅行会社なんですか?」
そう、ここは2017年に旅の相談ができるカフェとして
福岡県糸島市で旅行業(この時、独立17年目)を営む私が
はじめたカフェだ。
「へえ〜〜知らなかった〜」
「ここで相談にものってくれるの?」
応対しているのはスタッフの竜くん。

しばらくして彼からこちらに声がかかる。
ちょっと急ぎで相談したいことがあるらしい。
お客様は小山さんという女性。

小山さんの趣味は糸島周辺の山を登ること。健康的!

挨拶して話を聞くと5月24日ごろからマニラに行きたい。
1人旅だが現地にフィリピン人の友人がいるからガイドは不要。あれこれ迷っているうちに出発日が近づいてきた 
ということだ。

この時、5月初旬。もうそれほど時間もない・・・
ということになり早速、詳細をお聞きする。
お名前、予定の滞在日数、生年月日、ご住所、メールアドレス、電話番号、パスポートやワクチン接種証明の有無 等。
年齢は私とさほど変わらない還暦過ぎたくらい。
見かけはもっと若く見えるすごく行動的な方。

福岡空港からのご出発と思いきや、名古屋で用事を済ませた後に羽田から出発希望とのこと。
友人が現地にいるとはいえ、マニラ市内在住ではない。
他の島から来てくれて滞在中行動を共にするので一緒に宿泊を手配。

出発まで3週間きっていた。
しかも名古屋で用事があるので福岡から出発するのはもっと早い19日くらいだから手配できる時間はわずかだった。
5月10日から私も仙台〜東京と1週間ほどの旅に出る予定だったのでこの日にお会いしてなかったら旅行の手配は受けてないかもしれない。

お互いにこの日にお会いできた偶然はびっくりなタイミングだと後から思い返す。
小山さんはいつも行っているお気に入りのジェラート屋さんがたまたま休みで、冷たいものを食べたかったのに〜と偶然カフェを発見して入店していただいたそう。

もし、ジェラート屋さんが営業してたら・・・
私が別の仕事でカフェにいなかったら・・・
出会いとはそんな運命的なタイミングというのがある。
「ご縁」って不思議。

One Health Pass登録

この時期、海外に行くとなるとPCR検査が必要。
現地に入国するため東京でPCRを受け陰性証明を受け取ってから出発。
更に、
日本に帰国時に提出する現地ドクターのサイン入り陰性証明も必要で、こちらは現地のPCR検査を行なっているメディカルセンターの予約と受け取りのための余裕の時間も必要。

5月23日午前中のPCR検査予約と24日出発のマニラ行きチケット予約。それが確定したところで現地のホテルも確保。
その間、2日ほどの間にチケットの発券まで完了。
小山さんもフットワークの軽い方で精算まであっという間だった。


これを読んでいただいた方がいつ読まれるかで状況は刻々と変化するが、2022年5月のこの時点ではフィリピン入国時に必要なのがワクチン接種証明とPCR陰性証明。
One Health Passの登録を事前にやっておく必要があった。
(8月現在ではフィリピン入国の際の陰性証明は不要。
日本入国には相変わらず必要だった。)

テキパキとワクチン接種証明まで入手してもらい、
あとは出発直前に東京で受ける「PCR検査の陰性証明」
を手に入れたら(メールで受領)One Health Passの登録を行う。
すべて英語入力もあり、証明書のアップロードもあるのだが、小山さんはスマートフォンしかないので非常に操作が面倒。
しかも名古屋〜東京移動で時間的にも慌ただしい状況。
私が代わりに登録作業することにして、出発前日に陰性証明が来たら全てを入力の手筈にした。

すべて手続き完了、無事、マニラ行きの飛行機に搭乗できたことを確認してホッとした。
フィリピン入国時のOne Health Passが問題なければ大丈夫。
もしもの緊急事態発生時のために現地で迎えに来ているフィリピン人のお友達と3人のLINEグループも作っていたが特に必要もなかったようだ。
最終日のマニラでのPCR検査と翌日の陰性証明受け取りも特に問題なく無事に帰国された。

小山さんの帰国後、10日くらい経ったある日、
その後に鹿児島にも行ったということでお土産を持ってニコニコでカフェに現れた彼女。

新たなオファーがあった。
             

クロアチアへ行こう

ひとしきりマニラでの数日間の楽しい土産話をお聞きし、
鹿児島のお土産までいただき、
小山さんはついでのように話をはじめた。

実は・・・「私はパーキンソン病でね。」
え? そもそもどういう症状が出る病気なのか詳しいことも知らない私は
まずは現在彼女の抱えている状況などを教えてもらった。

症状も段階も一人一人、現れる状態が違うので一概には言えないが小山さん自身はごく、軽く、診断を受けてそれほどの年月がたっていない。
症状の進行を遅くしたり、リハビリする効果として卓球が有効であることなどをお話いただいた。
日々の生活に卓球の練習も含めて取り入れているし
名古屋や鹿児島へ行っていたのも卓球の大会があったから・・という事だ。

パーキンソン病といえば、
映画「BACK TO THE FUTURE」で有名な俳優マイケル・ジェイフォックスが患者の1人だということしか知らなかった。
私も彼のファンだ。
彼女の場合は私がお会いした感じでは全くわからないくらいだが、その診断を受ける以前から卓球選手だった彼女は今もその練習を欠かさないし症状が抑えられているのもそのお陰であるとのこと。

今年の暑い夏もトレーニング兼ねて登山

パーキンソン病の患者の中では卓球をリハビリとして取り入れる動きはかなり前からあったようだが世界大会まで行われているということも初耳。
第1回世界大会は2019年10月にニューヨーク州で、第2回は2021年にドイツのベルリンで開催されたそうだ。
今年2022年の4月、NPO法人ピンポン・パーキンソン・ジャパンが設立された。
立ち上げたのはご自身もパーキンソン病患者であり、医師の川合先生。

第3回世界大会がクロアチアで予定されているということで小山さんはそれに出場を目指しているという。

Thank you Butterfly for supplying our New York and New Jersey PingPongParkinson Chapters with the paddles so we can hit...

Posted by Nenad Bach on Wednesday, July 22, 2020


        ネナード・バック氏のフェイスブックより
        卓球用品のメーカーButterflyが製品の提供
        をしてくれたというお礼のコメント。


ネナード・バッハ氏が立ち上げた組織「ピンポン・パーキンソン」は世界に広がり世界大会へも多くの国々からの参加がある。

小山さんからのオファーは
もし、開催が決まり、出場する場合は同行してくれないか?ということ。
もちろん、地元糸島から出場の選手がいらっしゃるということもあり旅行業者としての興味よりも一緒にクロアチアへ行き大会の応援への希望が膨らんできた。

まだこの時点では大会の正式発表もなかったのでまだかまだかと首を長くして待っていた。

後日、6月の終わりを迎える頃、
正式な大会要項が発表された。
出場される方は小山さんの他に女性1名と川合先生だ。
男性は今のところ出場の意思表示をされているのは川合先生のみ。
正式に先生からも同行についてのオファーをいただき、ZOOMでもゆっくりお話しすることができた。
(今回はNPOではなく個人として)

早速、クロアチアに向けての準備を開始。
3名のお客様がクロアチアでの生活とそこでの卓球を存分に楽しみ良い結果が得られることを祈るばかりである。

8月から燃油サーチャージも再度上がるとのことで
7月中に航空券の発券も完了するよう調整。
少しずつ、クロアチア大会が現実のものとなりつつある。

                     つづく

(参考)日本政府の水際対策に関するHP↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00248.html



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