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2023.1.9(日・祝)ねぇねぇ紅白歌合戦振り返り⑤~当日の打ち合わせ

分刻みの音合わせ

Clubhouseの最大の問題は、音の環境が個々に違うということだ。端末の違い、iOSやAndroidのOS違い、ミキサーを介さなくとも、お部屋の環境(外の騒音)、音出しをどんな形で出しているのか(タブレット?PC?)、いろんなことがあるので、良い環境で提供するために一旦は歌を歌ってもらう(もちろんフルコーラスほどではない)必要がある。そして、歌ってもらった環境をしっかり本番で再現してもらう必要があるのだ。

一人5分程度、実際は正午からだったのだが、鍵部屋を開け、11時からルームを開け、お昼ご飯もそっちのけで、本番前に全員の音チェックをする。
いつもなら12時からスタートできるのだが、今回は人数が多いこともあって、早めに入れる方はどうぞ!と鍵部屋を開けた。すると次々と参加してくださったので比較的スムーズに打合せも音合わせもスタートした。

音合わせの中で一番調整してくれるのは、恵子ねぇとかよねぇ。
恵子ねぇは見た目や声だけではなく耳がとにかくよい。バランスの取れた音を聴き分け、適切なアドバイスをしてくれる。
「もうちょっと音を上げて!」「ん~どう?」「イヤフォンを片耳にしてそして片方をもっと音楽のタブレットに近づけたら音が変わるでしょ?」適切なアドバイスをしてくれる。そして「本番もよろしくお願いします!この状態をキープして」「次は、○○さんですね・・」とかよねぇがフォローしてくれる。舞台裏の録音こそないが、1人5分の打合せは真剣だ。
そして真剣さは伝播していくのだ。
出演者はこの状態をキープして本番に臨むことになるのだが、ここから出演するまではきっとドキドキが続くに違いない。

うまくいかないトラブルへの英断

今回出演された方のケースは、

  1. タブレットやPCで音楽を流してそれに合わせて歌を歌う

  2. タブレットやPCで音楽を流して、ミキサーを介しマイクから歌う

  3. タブレットやPCで音楽を流して、マイクはおもちゃのマイクをつかう

  4. デュエットが必要な場合は、SyncTubeでYouTube音源を登録して、これを流しながら遠隔で歌う

  5. デュエットが必要な場合、ずれること覚悟で感覚で歌う

  6. カラオケボックスから曲を流して歌う

  7. YAMAHA SYNC ROOMを使って遠隔で演奏してもらい、2か所から集まる音を私のPCのYAMAHA SYNC ROOMで受け取って、その出力音源をPCからミキサーを介してClubhouseに流す

このいずれかだったと思うのだが、一番ベタに良かったのは、1.だったように思う。2は、素敵な歌声がマイクを介すと小さくなってしまうケースがあるので、バランスが悪い状態になるともったいない気がするのだ。
3は1と同じように雰囲気も出て、良いと思うので近くのドンキとかで購入するのもありだろう。私も購入してみたい。
4はあくまでデュエットの問題にはなるのだが、同時にウォッチパーティーしながらできる。ずれもClubhouseのずれはあると思うが、ほとんど違和感なく歌を歌うことができる上にCMも飛ばすことができるので、おすすめである。5は、ずれることを加味して確認の上で前のめりで歌うか、あきらめるかのいずれかになる。
6は正直おすすめしない。理由は一人カラオケならまだしも数人で一つのルームを使う場合、それぞれがClubhouseにログインするため、他人の端末から出た音を拾ってしまうということと、周りの環境が悪すぎることが多いのだ。スピーカーからの音を拾い、そしてマイクを使って歌うわけだから、当たり前だが最良の音が拾える場所をボックスのルーム内をあちこち移動し、歌以外のトークの時にも雑音が入り続ける。これは案外耳障りになるのだ。
そして7は、アーティストの方はこの方法を使うことが多い。うまくいけばいい音が再現できると思うのだが、いまだ再現できていないのだ。

今回koko-colorの、もももさんとさほこさんの二人は遠隔で参加することになり、台本もプチプチ音がうまく入らないことを考慮し「火星から」という謎の設定で進めていくことになった。本番前日、実は私とマネージャーのおのじゅんさんとで確認をしたのだ。その時はうまくいった。ただ、この時には私とおのじゅんさんの環境が良かったのだと思う。
SYNCROOMはパソコンソフトとスマホアプリが存在し、私は正直スマホアプリをあまり信用していない。スマホは無線で接続するのが一般的なので、どうしても音が途切れる可能性があるからだ。だから、自宅で無線を使っているのはスマホとタブレットのみ。Chromebookも、ノートパソコンもデスクトップパソコンもNASもプリンターもスキャナーも、すべて有線接続をしている。なので、切れるとしたらこちらのClubhouseへのスマホか、koko-colorの二人のスマホの問題でしかないのだ。パソコン側で音が途切れていると考えるのはナンセンスである。
本番前の音合わせ、うまくいかない。プチプチ切れる。パソコンではだめなのか?となり、スマホアプリを入れる。時間だけが経過し焦り、本番前の音合わせを恵子ねぇとかよねぇに託し、私はkoko-colorの二人とSYNCROOM、そしておのじゅんとClubhouseの別室で確認をした。
どうやってもプチプチ切れるのだ。いくらやってもだめなのだ。どうしよう、これはもう録音しかないのか、と思ったとき、おのじゅんから「ん~録音しましょうか」という提案になった。正直ここは非常に悔しいのだが、銅やってもプチプチ音が切れるのはもったいない。そこで、三人には本番前にSYNCROOMを使って録音してもらい、その音源を私宛に添付してもらうことになった。送られてくるまでの間の緊張感、すすんでいくルーム。私の鼓動が伝わるわけではないが、データが届き、セットし、スイッチャー代わりのアプリに入れてタップするまで、生きた心地がしなかった。同時に、遠隔でやることの難しさを痛感した。
おのじゅんさんから送られてきた音源は、多少のプチプチはあったものの、気にならない感じだった。
CHSTのミュージシャンの方々がされているときに問題がないのは、おそらくPA機材やパソコンを使って配信されているのではないかと思う。少なくともスマホ頼みになっているわけではないはずだ。これは次回以降の課題ともいえるところだろう。

さすがの司会陣の打合せ

音合わせの途中、下間都代子さん、恵子ねぇ、矢野淳一さんの掛け合い部分の打合せがあった。基本はみんなでワイワイ盛り上がることを前提にしているが、進行をお願いするため、お願いしたい人には様々なルールがある。

第一に、「笑い」にも対応できること。綺麗にまとめる司会者はきっとたくさんいるだろう。真剣に進めていただくことはもちろん重要なのだが、それ以上に盛り上げるという姿勢、つまりサービス精神。自分はもちろん、楽しんでもらおうという心意気はシンプルに大事だと思う。
「まじめ」且つ「笑いに対応できる」人は残念ながら一握りだと思う。
第二に、当たり前だが「進行」ができるということ。台本から流れを把握し、遊びであることはわかっていてもその中で真剣にルームを進行してくださる方は本当に貴重だと思う。
第三に、「チームプレイ」ができるということ。2人司会でも3人司会でもそうなのだが、そこに「掛け合い」が存在する。この「掛け合い」に互いを信頼し、ある程度身をゆだねることができるのかというところである。そして暴走も、時にはフォローしあえるということも重要だと思う。誰かが何かを忘れたり、方向性が違ってきた場合にさりげなく手を引いて軌道にもう一度載せる。軌道修正とはまさにこのことだと思うのだ。

関わる相手が変わると、そこに化学反応が必ず起きる。そして関わる人が多くなればなるほど、多種多様に変化し、それはオーディエンスとして観客席にいる多くの方々をルームチャットを介して巻き込み、流れが生まれる。
たった数分の時間のやり取りの中の化学反応を、正しく昇華させることができるということが、司会の最も重要なポイントだと思う。残念ながらそれができる人が実は少ないと感じている。

総合司会:下間都代子さん

きりっとしたかっこいい司会の中に、笑いにもしっかり乗っかってくださる、安心してお願いできるキャプテン。下間の「シモ」は、下ネタの…なんて笑っていってらっしゃった。そして都代子さんがいたからルームが締まった。本当に救世主だ。「なんとでもやれるから大丈夫よ。」と言ってくださったことは本当に感謝でしかない。本田健さんがReplayを聴いてしまったらどうしようと告知してくださったときにヒヤヒヤしてしまった。

紅組司会:恵子ねぇ

気配りの人。軌道修正、自分の立ち位置、絡み方、譲り方など、すべて計算している。そして自分なりに台本を作ってしまう。0→1の大変さを知り、イベントのプロでもあるからこそ、時に厳しくなる。打合せの彼女を知ると、「バラエティアナウンサー」とのギャップに驚く。舞台が整ったら、自ら称するだけの根拠がそこに存在し、盛り上げることに注力し続ける、愛と努力の人である。適当と口癖のように言いながら実は適当でないのだ。

白組司会:矢野淳一さん

努力と伸びしろしかない。オーダーに応えようと努力する人。矢野さんは私よりも7つ年上なのだが、年齢を感じさせず、いい意味でフットワークの軽さがある。そして瞬発力がある。現場での対応という言い方が正しいのだろう。発言の合間に本気で笑ったりするところもチャーミングだ。盛り上げ方は営業能力と比例しているのかもしれない。何度も台本を読み込み、流れを把握して流れを変える力は才能なのだろう。

ただ、最強の司会陣であったことは、当日お付き合いいただいた方が感じていただけたと自負している。



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