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Gomez家の初孫パーティー

 2019年にメキシコを訪れたときの話・・・

 メキシコでは生まれてきた子の一歳の誕生日をお祝いして、親戚中、仕事関係者を含め縁のある方々を招待してフィエスタが一晩中開催される。

 今回は一歳にはちょっと早いが、私の渡航に合わせゴメス家の次女が産んだ赤ちゃんの洗礼とフィエスタが開かれた。

 午前中に皆正装をして教会で洗礼を受け、午後からはレストランの中庭で食事や余興やダンスで、大いに盛り上がる。ケーキカットもあり、代父(私の息子)代母(私)が皆に紹介される。宗教上での単なる儀式といえど、
ちょっぴり責任を感じる。

だんだん荷が重たく感じてきた。せいぜい赤ちゃんの無事な成長と赤ちゃんの父母の活躍を願うばかりだ。

 小学生以下の子供たちには大きなくす玉のようなピニャータをたたいて壊させるイベントが待っている。中のお菓子・飴・コインや花吹雪が舞い散る。皆競って拾い集める。

すごい必死!

 楽しいおしゃべりと食事をいただく。夜も更けて、ダンスタイムになって来た。私がトイレに立った時、長テーブルの端っこに見知らぬ子供たちが食事をとっているのが見えた。

ピニャータから飛び出たお菓子も握っている。

  「誰ですか??あの子たちは・・」

私はゴメス家の長女に尋ねた。

「貧しくてその日のご飯にありつけない子供がレストランの外に立っていたのよ。だから、中に入れてパーティの食事を食べさせているのよ。このようなことはメキシコでは当たり前の振る舞いよ。」というようなニュアンスの答えだった。

そうだったのだな、その日のご飯が食べられない子供たちは、そこここにいるのだな。個人が自ら助けることが当たり前の国なのだなぁ、
助けてもらうことも当たり前なのだなぁ、、、

とぼんやり考えた。そして心の底がざわざわした感じを覚えた。

mihoko


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