見出し画像

就職活動のためにバイトはやめるべきか、有利になるバイトは


就職活動を始める前に大学生はアルバイトを辞めるべきでしょうか。志望する企業の内定を獲得するには就職活動に集中すべきであり、アルバイトをしている余裕はない、と考えるのはもっともなこと。

結論を先に紹介すると、就職活動中にアルバイトを続けていても大丈夫ですが、しかし就職活動を最優先に考えていったほうがよいでしょう。

就職活動とアルバイトを両立させる方法などを解説します。

 就職活動中にアルバイトは続けても大丈夫

 まずことわっておきたいことは、就職活動中のアルバイトは「やっていても大丈夫」なのであって、就職活動中のバイトを推奨しているわけではない、ということです。

就職活動の結果は人生を左右しかねないだけに、就職活動中は就職活動を優先することが大前提です。

そのためアルバイトをしなくても生活に支障がないのなら辞めたほうがよい、と考えることもできます。

 就職活動中もアルバイトを継続するのであれば次の点に注意してください。

 ■就職活動中もアルバイトを継続するときの注意点

●就職活動優先を守る(アルバイトは2番目)

●アルバイト先に就職活動中であることを伝えて柔軟に対応してもらう

●両立が難しくなることがあるので、そのときは迷わず就職活動を取る

 

また、アルバイトの給与で生計を支えている大学生の場合、アルバイトを辞めてしまうとお金が足りなくなり、就職活動に支障が出ることがあります。

例えば、遠方の企業に出向くとき、その企業から交通費が支給されないとそれを自分で負担しなければなりません。

そのような場合でも、上記の注意点に留意するようにしてください。

 

就職活動とアルバイトを両立するコツ

 

就職活動とアルバイトの両立が難しくなるのは、どちらも長い時間が必要になるからです。

そのため就職活動とアルバイトの両立問題は時間のやりくりの問題と考えることができます。

両立するコツは次の3つです。

 

■就職活動とアルバイトを両立させるコツ

●余裕を持ったスケジュールを立てる

●融通の利くアルバイトを選ぶ

●趣味に充てていた時間を就職活動に充てる

 

1つずつ確認していきましょう。

 

【余裕を持ったスケジュールを立てる】

 

いくら就活生が忙しいといっても、例えば超多忙なビジネスパーソンよりは時間に余裕があるはずです。そのため、就職活動とアルバイトの両立は「意外になんとかなる」ものです。

しかしそれは、就職活動とアルバイトを計画的に進めていった場合に限ります。

 

そこで、スケジューリング(スケジュールづくり)が重要になってきます。

就職活動のスケジュールをしっかり立てれば、あとはアルバイトのスケジュールをそこに組み込んでいきます。

 

【融通の利くアルバイトを選ぶ】

 

就職活動ではしばしば緊急事態が発生します。意中の企業の採用担当者から「1時間後に会いたい」と言われることもあります。もしそれを断ってしまったら、その採用担当者は別の大学生と会うかもしれません。

そのため、就職活動中は融通の利くアルバイトを選んだほうがよいでしょう。

ただし、融通を利かせてもらうことは、アルバイト先に迷惑をかけることになるので、丁寧に説明してみてください。

 

【趣味に充てていた時間を就職活動に充てる】

 

時間のやりくりでは、無駄な時間をつくらないことも重要です。

アルバイト先への迷惑を最小限にするため、自分の趣味の時間を削りましょう。

したがって就職活動中の優先順位は1位就職活動、2位アルバイト、3位趣味としてみてください。

 

経験しておくと就職活動で有利となるアルバイトはある?

 

アルバイトの経験が就職活動によい効果をもたらすこともあります。

企業は新卒者を採用したら、仕事を教える前にビジネスパーソンとしての心構えやビジネスマナーを教えます。

しかしアルバイトをしていればビジネスに触れているので、ビジネスの心構えやビジネスマナーがある程度身につきます。

そしてビジネスマナーを身につけて就職活動をすれば、採用担当者に好印象を与えることができます。

就職活動を有利にするアルバイトの特徴は次のとおりです。

 

■就職活動が有利になるアルバイト

●目的や目標が明確なアルバイト

●志望する業界に所属する企業のアルバイト

●コミュニケーション能力が身につくアルバイト

●ビジネスマナーが身につくアルバイト

●パソコン・スキルが身につくアルバイト

 

項目ごとに解説します。

 

【目的や目標が明確なアルバイトがなぜ就職活動に役立つか】

 

お金を貯める、スキルを身につける、業界を知る、といった目的や目標を持ってアルバイトしている人なら、企業の採用担当者と面談、面接するときにそのことを話題にすることができます。

採用担当者から「あなたはなぜ就職活動中にもかかわらずそのアルバイトをしているのですか」と尋ねられたときに、明確な目的や目標を答えられるとよい印象を与えることができます。

 

【志望する業界に所属する企業のアルバイトがなぜ就職活動に役立つか】

 

就活生は大抵、業界を絞って企業にアプローチします。また企業側も、強く「この業界で働きたい」と考えている就活生を好感するでしょう。

そのため大学生は、業界研究や企業研究をして就職活動に臨んだほうがよいのですが、志望する業界の企業でアルバイトをすればその業界をよく知ることができます。

 

【コミュニケーション能力が身につくアルバイトがなぜ就職活動に役立つか】

 

一般的な大学生レベルのコミュニケーションとビジネス・コミュニケーションはまったくの別物といってもよいでしょう。当然ですが、企業はビジネス・コミュニケーションを身につけた大学生を求めています。

接客業務が多いアルバイトや、顧客対応を経験していると、ビジネス・コミュニケーションが身につきます。

 

【ビジネスマナーが身につくアルバイトがなぜ就職活動に役立つか】

 

ビジネスマナーは入社後に必要になるだけでなく、就職活動でも不可欠です。なぜなら企業の採用活動はビジネスだからです。採用担当者は就活生にも最低限のビジネスマナーを求めます。

ビジネスマナーを教えてくれるアルバイトは就活生を鍛えるでしょう。

 

【パソコン・スキルが身につくアルバイトがなぜ就職活動に役立つか】

 

企業で働き始めるとすぐにパソコンを使うことになるはずです。

ところが大学生のなかには、スマホは操作できてもパソコンの操作が苦手な人がいます。その人が就職すると、その企業はその人にパソコンを教えなければなりません。

そのためアルバイトの仕事のなかでパソコンを使っていると基本操作と基本知識が身につくので、入社後にアドバンテージになります。

 

採用担当者から「パソコンは使えますか」と尋ねられることもあります。そのとき「アルバイト先でエクセルで勤務表をつくっていました」とか「仕事で○○システムを使っていました」と答えることができると採用担当者は高く評価するはずです。

 

実際にアルバイトを続けながら就職活動を行う人はどれぐらいいる?

 

PORTキャリアの調べによると、就職活動中にアルバイトをしていた人の割合は63.4%で、アルバイトをしていない人の36.6%を大きく上回っています(*1)。

この数字からも、就職活動中にアルバイトをしていても大丈夫である、といえそうです。

 

ただし、就職活動中にアルバイトをしていた人は工夫しています。

同調査によると、就職活動中にアルバイトをしていた人の46.3%が、就職活動に入ってからアルバイトの勤務時間を減らしていました。

 

*1:https://www.theport.jp/portcareer/article/8970/

 

就職活動にかかる費用はどれぐらい?

 

アルバイトで生計を立てている大学生は、就職活動に入ってもアルバイトの勤務時間を減らすことに抵抗を感じるはずです。しかし勤務時間を維持したり、ましてや増やしたりしてしまうと就職活動に支障が出てしまうかもしれません。

そのため就職活動中にアルバイトをする人は、勤務時間を最小にしたほうがよいかもしれません。

では就職活動には、いくらくらいの費用がかかるのでしょうか。

 

やはりPORTキャリアの調査なのですが、大学生が就職活動に使った費用は61,212円でした(*1)。

その内訳は以下のとおり。

 

■就職活動に必要な費用61,212円の内訳

●スーツや靴:24,517円

●交通費や宿泊費:16,103円

●備品:9,319円

●その他:11,223円

 

就職活動中にアルバイトをすることによって起こりうるトラブルとその解決方法

 

就職活動中にアルバイトをするのであれば、起こりうるトラブルを想定し、それを回避するように努めましょう。

就職活動中のアルバイトのトラブルには次のようなものがあります。

 

■想定される就職活動中のトラブル

●採用面接とアルバイトの勤務がかぶる

●アルバイト中のために採用担当者の緊急連絡を受けることができない

●採用担当者から急に会いたいといわれたときに対応できない

 

このトラブルを起こさないための方法を解説します。

 

【採用面接とアルバイトの勤務がかぶるトラブルの回避方法】

 

アルバイトの勤務日や勤務時間は半月~1カ月前に決まることが多いでしょう。しかし採用面接の実施日時は企業の都合や採用活動の進捗状況によって変わることがあります。また、直前にならないと就活生に面接日時を伝えない企業もあります。

そのため、採用面接とアルバイト勤務がバッティングする可能性があります。

 

企業に採用面接の日を変更してもらうことは現実的ではないので、アルバイトを休めるようにしておきたいものです。

それには事前にアルバイト先の責任者に、急遽就職活動面接が入ったら休ませて欲しい旨を伝えておく必要があります。

もしくは、勤務先に別のアルバイトがいたら、いざというときにシフトチェンジしてもらえないか頼んでおいてもよいでしょう。

 

【アルバイト中のために採用担当者の緊急連絡を受けることができないことの回避方法】

 

アルバイト先によっては、仕事中にスマホを携行できないことがあります。

企業の採用担当者が電話連絡する場合、スマホ対応できないと緊急連絡を受けられなくなります。

就活生はアルバイト先の責任者に、就職活動中だけ仕事中にスマホを携行させて欲しいと頼んでみてください。それが許されなかった場合は、例えば2時間に3分だけスマホをチェックさせて欲しいと頼んでみましょう。

 

【採用担当者から急に会いたいといわれたときに対応できないことの回避方法】

 

採用担当者が就活生に「急に会いたい」と言ってきたら、それはとても重要な用件のはずです。その緊急面談によって内定が出るかどうかが決まるかもしれません。

したがって就活生は、採用担当者の緊急面談に対応できるようにしておかなければなりません。

このトラブルを回避するには、やはりアルバイト先の理解が必要です。アルバイト先の責任者が同僚などに事情を説明しておきましょう。

 

志望業種別おすすめのアルバイト

 

就職活動中にアルバイトをするのなら、就職活動や就職に役立つ仕事に就きたいもの。

そこで志望業種別のおすすめアルバイトを紹介します。

 

■営業職志望者には、やはり営業のアルバイトがおすすめ

 

営業職を志望している就活生は、アルバイトでも営業職に就いたほうがよいでしょう。

営業はときに、商品を必要としない人に商品を買ってもらわなければならないタフな仕事です。そのため企業の採用担当者は、営業職を希望する就活生がその仕事に耐えられるかどうか確認しようとします。

そのとき就活生が「アルバイトでも営業の仕事をしていて実績をあげています」と答えることができたら、採用担当者は頼もしく感じるでしょう。

 

■IT企業志願者にはシステム開発のサポート業務がおすすめ

 

IT企業への就職を希望するなら、学生時代からたっぷりITに触れておいたほうがよいでしょう。システム開発のサポート業務のアルバイトなら大学生でも対応できるはずです。

 

■事務職志願者にはパソコンを使った事務業務がおすすめ

 

事務職には高い事務処理能力が求められます。事務処理のスピードはパソコンを使って高めることができます。マイクロソフト・オフィスのソフトを使って仕事をするアルバイトを経験しておけば、採用面接でアピールできます。

また、アルバイト先で業務用の情報システムを操作させてもらえれば、就職活動で大きなアドバンテージになるはずです。

 

■受付・接客業志願者にはホテルや飲食店のアルバイトがおすすめ

 

ホテルや飲食店のアルバイトを経験しておけば、受付業務や接客の基礎が身につきます。

採用担当者も、受付・接客業を希望する就活生には、関連するアルバイトをしたことがあるかどうか尋ねるでしょう。

 

まとめ~就職活動優先を忘れずに

 

記事の内容を箇条書きでまとめます。

 

●就職活動とアルバイトは両立が可能だが、積極的に推奨するわけではない

●アルバイトをする場合、就職活動を優先したほうがよい

●就職活動中のアルバイトは、アルバイト先の理解を得る必要がある

●就職活動中にアルバイトをするなら、就職活動や入社後に役立つ経験ができる仕事がよい

●アルバイトをしながら就職活動をしている大学生は6割ほど、就職活動の費用は6万円ほど

●就職活動中にアルバイトをするなら、想定されるトラブルを未然に防ぐ対策を講じておく

 

本来は就職活動中は就職活動に集中したほうがよいのですが、さまざまな事情からアルバイトを継続しなければならないこともあるはずです。

その場合は、就職活動にプラスになるアルバイトを選ぶとよいでしょう。

就職活動の結果はその後の人生に大きな影響を与えるはずなので、アルバイトをするにしても就職活動第1で動いていきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?